プロアイススケーター羽生結弦さん(29)の故郷・宮城の利府町にあるセキスイハイムスーパーアリーナで「羽生結弦 notte stellata(ノッテステラータ)2024」が開幕。昨年3月に続き、今回で2回目となるショーでは羽生さんを含めた国内外10人のスケーターと女優大地真央(68)らが出演。新演目の『Danny Boy』など計22曲のパフォーマンスで復興を願った。

約2時間、6100人の満員の観客を集めた講演後の一問一答<4>=おわり、は次の通り。

-大地さんと今回共演したことで、新しく見えてきた可能性や表現の幅は

「『Carmina Burana』に関しては、前半の部分、大地さんが出る前までの部分はシェイリーン・ボーンさんに振り付けをしていただいて、大地さんが出てきたあとは、大地さんが振り付けをしてもらっている方にお願いをしました。いわゆる舞台の振り付けをされている方にお願いをしました。そういう背景もあって、もちろんその前半の部分のいわゆるフィギュアスケートの振り付けっていうものを受けながら滑っている自分と、その舞台のいわゆる陸上での振り付けっていうものを滑っている自分の、そのギャップが生まれないように。その前半と後半のギャップがあまりにもないようにすることは意識して、自分の中では滑り込んできたつもりです。どうしてもその、陸上の振り付けになってきてしまうと、いわゆるその上下の、上下っていうか前後の動きですか、奥行きがなくなってきたり、またその動き自体が小さくなりがちだったので、なんかそういったことを改めて、『フィギュアスケートってもっとこういうふうに表現しなきゃいけないんだな』とか、陸上の振り付けだからこそ逆にフィギュアスケートに落とした時に『もっとこういうふうに表現すれば陸上っぽくもなれるし、逆にフィギュアの良さも出るし』とかっていうことをいろいろ頭の中で計算しながら作っていたつもりです」

-前回になかった優しさ、希望みたいなものを感じた。1回目と2回目で何か意識の違いは

「それを感じていただけのは正直うれしいです。どうしても前回、初めてその3・11という日に皆さんの前で演技をさせていただくという経験をして、正直僕自身もつらい気持ちのまま、先ほども代表質問していただいた時に言いましたけど、やっぱり映像を見たり記憶を思い返したりすると辛くなってしまうことがある。で、それにとらわれながら滑っていたのが前回で、その中で皆さんから希望とか勇気とか元気とか、いろんなものをいただけたショーでした。そういう意味で、今回は、僕があの時もらったものをもっともっと返したいなって、もっと希望を届けたいなって思って、新しいプログラム『Danny Boy』もそうですし、カルミナに関しても、曲調は確かに強さがある曲調ではあるんですけど、でもその中で『立ち向かうもの』みたいなものを感じていただけたらなって思って滑っているので、そういった意味では去年とはほんとに心意気が全く違った、コンセプト自体が全く変わったショーになったのかなという気持ちではいます」

羽生結弦さん、故郷宮城で公演 3月11日に対する思い「希望や祈りが届くように」/一問一答1