柔道の今夏パリ五輪(オリンピック)代表に内定しており、男子66キロ級で2連覇を狙う阿部一二三(26=パーク24)が2日、グランドスラム(GS)アンタルヤ大会(3月29~31日、トルコ)を終えて東京・羽田空港に帰国した。

全5試合をオール一本勝ちし、全く危なげなかった絶対王者。「パリ五輪に向けて、しっかりやるべきことはできた。また、パリに向けてやるべきことも、しっかり分かった大会。自分的に(相手にとって)予想のつかない柔道はできたのかな」と、担ぎ技でも足技でも面白いように投げられる今の強さを、自ら再認識した。

これで2019年8月の世界選手権東京大会以来、無敗。金メダルに輝いた東京五輪の後、全て白星でパリ前最後の実戦を終えた。

「東京の時も、このトルコ・アンタルヤから五輪という流れが一緒だった。約4カ月、すごくいい状態に仕上げる自信はあるし、やるべきことをやって、不安要素を消していく。絶対、この状態だったら大丈夫というところまで持っていきたい」と想定した。

慢心もない。「この大会の結果に満足はしていないし、喜びもそこまでない。やっぱりパリで金メダルを取らないと。(東京五輪から負けなしに)こんなにいいことはないと思うけど、パリで最後の最後に崩れたら絶対ダメだと思うんで、気を抜かず。パリで勝たないと、やってきたこと全ての意味もなくなる。やっぱり五輪が全てだと思ってるんで」。この男の五輪V2に死角はない。【木下淳】