昨夏のバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)日本代表の渡辺雄太(29=グリズリーズ)が20日、来季からBリーグでプレーする意向を表明した。インスタライブで「日本でプレーすることに決めた」と明言。各クラブとの交渉はこれから始める。

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渡辺は昨オフにサンズと2年契約を結んだ。今季途中にグリズリーズに移籍したが、契約内容は引き継がれた。2年目もチームに残るか、フリーエージェントとなるかについて選手側が選択できることになっていた。今季年俸は約235万ドル(約3億5250万円)で、来季もNBAでプレーすれば年俸は約265万ドル(約3億9750万円)とされていた。

あるクラブ幹部はBリーグでの渡辺の年俸について、「集客効果やグッズ売り上げ効果も見据えれば、3億円はいくのでは」と具体的な数字をあげる。サンロッカーズ渋谷の大江田孝幸ゼネラルマネジャーは「どのチームもそうだと思いますが、もちろん興味は持っています」と熱く語った。

Bリーグでは選手の年俸は基本的に公表されていないが、すでに1億円プレーヤーは多数存在し、最高年俸選手は2億円以上とみられる。26年から始まる新カテゴリー「Bプレミア」では上限8億のサラリーキャップ(チーム総年俸の上限制度)が導入される。特例として、各クラブ1人までは1・5億円以上の報酬でも「1・5億円」と計算する「スター選手条項」も盛り込まれている。

◆渡辺雄太(わたなべ・ゆうた)1994年(平6)10月13日、横浜市生まれ、香川県三木町出身。香川・尽誠学園高では全国高校選抜優勝大会(現・全国高校選手権)で2年連続準優勝。米ジョージワシントン大卒業後にNBAグリズリーズとツーウエー契約を交わし、18年10月NBAデビュー。ラプターズ、ネッツを経て、23年はサンズとグリズリーズでプレー。16歳だった11年4月に日本代表に初選出され、19年中国W杯、21年東京オリンピック、23年沖縄W杯などに出場。