ベルテックス静岡(西地区4位)の全員が、終了ブザーと同時に歓喜した。

B3から新たな挑戦の扉を開き、プレーオフ(PO)進出もこじ開けた。B1経験があるライジングゼファー福岡(同2位)を75-68で破り、神戸(同5位)と最後まで争った残り1枠のワイルドカード2位の座を死守。PO切符を奪取した。昇格初年度を2度目の4連勝締め。来月3日開幕のPO準々決勝(2戦先勝方式)では、唯一4戦全敗を喫したA千葉(東地区優勝)と敵地で戦う。

静岡が攻守で粘り勝った。57-47と10点リードで迎えた最終クオーター(Q)、流れを失いかけたが踏ん張り続けた。残り5分を切った63-59でSG新川敬大(28)がこのQ2本目の3点シュートを成功。悪い流れを断ち切り、PG岡田雄三(28)も3点ゴールを沈めるなど全員でリードを守り切った。

チーム最多19得点のCケニー・ローソン・ジュニア(35)は「すべてをささげられた」と満足げ。ファクンド・ミュラー監督(50)はPO進出を「すごくうれしい」。チームはレギュラーシーズンを29勝31敗。開幕前に掲げた絶対目標「PO進出」を果たし、「勝率5割」もあと一歩に迫った。

課題の1つ、アウェー同一カードの2連勝は前節初めて敵地で愛媛から白星2つ。最後も強敵から連続白星。また、13クラブ中、A千葉以外から1勝以上し、新参チームながら存在感を示した。来季に向けたB1ライセンスは、要件の関係で今季での申請を断念している。とはいえ先を見据える主将のPF加納誠也(35)は「1位のチームに一矢報いたい」と次の難敵に気持ちを切り替えた。チームの快進撃は、まだまだ続く。