卓球のシングルスW杯で銅メダルを獲得したパリ五輪(オリンピック)男子代表の張本智和(20=智和企画)が、妹の躍進を刺激にした。22日、開催地のマカオから成田空港に帰国。4強入りを振り返り「中国以外の選手に勝つのは(五輪で)メダルを取るための最低限の条件。それを最近はキープできているのは、オリンピックにつながると思います」と一定の手応えをにじませた。

今大会は準決勝で林高遠(中国)に0-4で敗戦。中国勢との対戦を踏まえ「安定しているところを安定させながら、突出するところは突出させて、もっと攻撃的な卓球をしたい」と課題にも向き合う。女子は妹の美和(15=木下グループ)が決勝トーナメント1回戦で世界ランク3位の王芸迪(中国)を4-1で振り切り、大会初のきょうだいでのメダル獲得となった。

妹の戦いぶりを、兄は「自分の結果よりも、そっちの方がうれしかったです。特に中国の選手に勝ってのメダル。僕のメダルよりも価値があると思いますし、何より最年少(15歳)でメダルを取ったというのはすごく大きなことで、うれしい」とたたえた。自身は16日発表の最新の世界ランクで9位。美和は同12位だが、浮上が見込まれる。

張本は自ら世界ランクの話題を持ち出し「先に自分で言っておきます。追い越されても、びっくりしないでもらって…(笑い)。どこかで抜かれるタイミングがあると思うんですが、抜いて、抜き返されて、お互い切磋琢磨(せっさたくま)していくところがある。やっぱりライバルと思えばライバルですし、それでもきょうだいなので、いくら(妹に)勝ってもらっても僕はうれしい。そこはいい刺激になればと思います」と志を高めた。【松本航】