<全国高校バスケット選抜優勝大会:東海大四99-87大分舞鶴>◇第3日◇25日◇男子2回戦◇東京体育館

 2回戦から登場の東海大四(北海道)が大分舞鶴(大分)を下し、2年連続で初戦を突破した。5点ビハインドの第4クオーター(Q)残り4分12秒からの2分6秒間に、ポイントガード(PG)白旗優一(3年)が1人で12点を挙げて逆転。同校の登録メンバーで2番目に小さい171センチの司令塔が、チームトップの28得点で勝利を呼び込んだ。

 試合終了まで、残り4分14秒。大分舞鶴にリードされていた。74-79と5点差に開いた直後、東海大四が取ったタイムアウトを合図に“白旗SHOW”は始まった。

 「無我夢中だった」。試合再開2秒後に放ったシュートで3点差、その1分後には相手ファウルでもらったフリースロー2本を決めて1点差。さらに9秒後に大分舞鶴の香川泰斗主将(3年)から奪ったボールから逆転シュートを決め、ファウルも誘って3点を追加する。残り2分42秒からは3ポイントを決め、その26秒後には7点差と広げるシュート。窮地のタイムアウトからわずか2分で勝利を呼んだ。

 171センチの小柄な体に、強烈な負けん気を宿す。東海大四中入学時、その後に高校日本代表となる内田旦人主将(3年)と出会った時は「同級生と思えないほどうまいと思った」。だが、努力を重ね、3年で全国中学3位メンバーに名を連ねた。この日、厳しいマークに苦しみ15点にとどまった、その内田主将は「(勝利は)うれしいけど、優一が決めてくれたのはちょっと微妙な感じ」と苦笑い。そんな選手たちを横目に、佐々木睦巳監督(49)は「(白旗は)早いプレーも、ファウルを誘うようなプレーもあったね」と満足そうに振り返った。

 1年生だった、2年前のとある秋の休日。同級生13人全員でボウリングに出かけた。白旗の出したストライク賞の賞品は、全員の記念写真。笑顔の並ぶ1枚を部室に飾り「いつか一緒に4強以上」を合言葉にやってきた。残り2勝。今日26日の3回戦は、8強進出をかけて大会最多の優勝20度を誇る能代工(秋田)と対戦する。「自分たちの走るバスケットができるかがカギ」。憧れる田臥勇太(34=リンク栃木)の母校を踏み台に、次のステップを目指す。【中島洋尚】

 ◆白旗優一(しらはた・ゆういち)1996年(平8)4月11日、釧路市生まれ。釧路小2年から競技を開始し、東海大四中3年の全国中学3位。好きな選手はNBAトニー・パーカー(サンアントニオ)とNBL田臥(リンク栃木)。家族は両親と姉3人。171センチ、58キロ。ポイントガード。

 ◆全国高校選抜優勝大会と東海大四

 ベスト8が最高成績で、75年度大会を皮切りに02年度大会まで10度ある。道勢最高成績も3校で12度ある8強で、出場16校だった72年度大会で初戦突破の帯広柏葉が第1号、最近では12年度大会の札幌日大も準々決勝で敗退している。