ワールドカップ日本大会開幕まで10カ月と迫り、個々の選手への注目度も増す。日刊スポーツでは、代表チームとともに「個」にもスポットを当てて試合ごとの選手採点を実施。FWとBKで日本代表を経験している今泉清氏(51)が選手のパフォーマンスを評価する。イングランド戦から始まる「今泉チェック」。ラグビーの見方が新しくなる。
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15人が1つになるラグビーで、個々のパフォーマンスを評価することは簡単ではない。今回、田村に厳しい点をつけたのは、キックの精度の問題。相手の先制トライは、キックからのカウンターだった。ただ、これは蹴った田村だけではなく、ボールを再獲得するために追いかけなければいけない他にも責任がある。
どうしても、トライなど決定的な仕事をした選手が注目されがち。しかし、そのプレーを生んだ前、さらに前には、得点に貢献した選手がいる。目立たなくてもいいプレーは必ずある。そういう選手、プレーにもスポットを当てたい。
この試合、個々のパフォーマンスは悪くなかった。ただ、結果は大差。いいプレーで攻め込んでも点がとれない。ターンオーバーから逆襲される。22メートルライン内に進入したら、DGでもいいから点をとること。外れても中断すればカウンターを食う心配はない。サッカーで言う「シュートで終われ」と同じことだ。
◆第1回「今泉チェック」
左から背番、ポジション、選手名、点数
1 FW 稲垣啓太 6.5
17 FW 山本幸輝 ―
2 FW 坂手淳史 5.5
16 FW 庭井祐輔 ―
3 FW 具智元 6.0
18 FW バル・アサエリ愛 ―
4 FW ビンピー・ファンデルバルト 5.0
5 FW ヘル・ウベ 4.5
19 FW アニセ・サムエラ 5.0
6 FW リーチ・マイケル 7.0
7 FW 西川征克 5.0
21 FW 布巻峻介 6.5
8 FW 姫野和樹 6.5
20 FW ツイ・ヘンドリック 6.0
9 HB 田中史朗 6.0
22 HB 流大 5.0
10 HB 田村優 4.5
23 HB 松田力也 ―
11 TB 福岡堅樹 7.0
12 TB 中村亮土 6.0
13 TB ラファエレ・ティモシー 4.5
14 TB 山田章仁 6.5
15 FB ウィリアム・トゥポウ 6.5
※点数は10点満点。「―」は出場時間が短いため採点なし。平均は5.0~5.5点。
◆今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)9月13日、大分市生まれ。6歳で競技を始め、大分舞鶴高ではフランカー、早大でBKに転向した。華麗なステップと正確なプレースキックで、大学選手権2回、日本選手権1回優勝。ニュージーランド留学後、サントリー入り。01年の引退後は指導者や解説者など幅広く活躍している。日本代表キャップ8。