世界ランキング9位のスコットランドが34-0で同15位のサモアを下し、今大会初勝利を挙げた。

1次リーグ突破に向け、負けられないスコットランドは前半、キックパスからのトライで勢いに乗り、後半も2つの認定トライで突き放した。狙っていたボーナスポイントも獲得し、勝ち点5とした。敗れたサモアは1勝1敗となった。スコットランドは9日にロシア、サモアは5日に日本と対戦する。

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スコットランドが、ファンが奏でるバグパイプの後押しを受け、欲しかった勝ち点1をもぎ取った。タウンゼント監督は「ギリギリまで頑張った。次のステージに近づいたと思う」とホッとした表情で語った。プロップのマキナリー主将も「タフな試合だったが、いいパフォーマンスができた」と笑顔を見せた。

あと1トライが遠かった。ゴール前に攻め込むも、焦りから反則を犯して戻され後退。ようやく後半34分に、WTBメートランドが抜け出し、左隅にトライをしたかに思われたが、あと1歩届かず。だが、その後相手の危険タックルで認定トライに変わった。何度も漏れていたため息が、最後に大歓声に変わった。同監督は「自分たちで取れたら良かったが、不正なタックル。認められて良かった」と振り返った。

日本がアイルランドを破ったことで、1次リーグ突破のためには、少しでも勝ち点の上乗せが必要になった。前半最後のプレーを告げるホーンが鳴り、20-0でリードしていても、外に蹴り出さず試合を続け、後半もPGを狙わずトライにこだわった。

勝ち点5を獲得したが、残り2戦負けられない状況は変わらない。9日にはロシア、13日の1次リーグ最終戦では勢いに乗る日本と対戦する。日本とアイルランドが突破するという周囲の予想に対し、同監督は「試合間隔も短いが、しっかり準備して、最終的には日本に勝ってボーナスポイントを阻止したい。日本戦の先に準々決勝がある」と力強く語った。【松熊洋介】