大相撲で旧ソ連出身初の関取となり、昨年9月の秋場所限りで引退したグルジア出身の元小結黒海(31=本名ツァグリア・メラブ・レバン、追手風部屋)が2日、東京都内のホテルで断髪式を開き、白鵬と日馬富士の両横綱ら約200人がはさみを入れた。

 黒海は師匠の追手風親方(元幕内大翔山)に大銀杏(おおいちょう)を切り落とされ「人間に必要な我慢を相撲界で覚えた」と感慨に浸った。現在はグルジアで日本食レストランを経営しながら、アマチュア相撲を指導。故郷では国民的英雄で「日本とグルジアの関係が良くなるために力になりたい」と政治家になる夢を披露した。

 2001年夏場所に初土俵を踏み、06年秋場所で新小結。パワーあふれる突き、押しを武器に幕内在位45場所で敢闘賞に2回輝いた。