元横綱武蔵丸の大島親方(41)が、武蔵川部屋を再興することが17日、分かった。武蔵川親方(元横綱三重ノ海)の定年(来年2月4日)に伴い、年寄「武蔵川」を継承。現在は藤島部屋の部屋付き親方だが、独立する。米ハワイ州から、おいのフィアマル・ペニタニ君(17)も入門予定。第2の武蔵丸を育てるべく、力を注ぐことになる。

 横綱武蔵丸、大関出島、武双山、雅山、小結垣添-。そうそうたる力士が育った武蔵川部屋が来年、復活する。再興するのは、米国出身の第67代横綱武蔵丸。現在は大島親方として、部屋付きの立場だが、武蔵川親方が来年2月4日に定年を迎えるため、年寄「武蔵川」を継承して、独立することになる。

 武蔵川親方は81年8月、出羽海部屋から円満に独立。1横綱3大関を含む12人の関取を輩出した。理事長在任中に体調を崩したこともあり、10年秋場所後に元大関武双山の藤島親方に部屋を継承。年寄名跡は変更しなかったため、約29年間続いた武蔵川部屋の看板は一時的に下ろされていた。

 武蔵川親方はすでに、藤島親方らにも事情を説明し、武蔵川部屋の再興も了承済み。部屋関係者によると、一部の裏方が新たな部屋へ移籍するという。力士は、大島親方のおいに当たるフィアマル君が入門する予定。ほかに、新弟子獲得へ勧誘を続ける見通しだ。

 新たな部屋は、中村部屋の土地・建物を借りる予定。中村親方(元関脇富士桜)が来年2月8日に定年を迎えるため、力士らは今月19日付で東関部屋へ転籍することがすでに決定済み(行司1人は八角部屋)。空いた稽古場や住居を一部改築して使うことになる。

 順調に準備が進めば、来年3月の春場所から、武蔵川部屋の力士が土俵に上がることになる。外国出身力士が部屋の師匠になるのは、高砂部屋から独立して東関部屋を興した元関脇高見山以来、2人目になる。

 ◆大島光洋(おおしま・こうよう)本名・武蔵丸光洋。1971年5月2日、米国生まれ。旧名はフィアマル・ペニタニ。高校時代はアメフトで活躍。89年秋場所初土俵。91年名古屋場所新十両、同年九州場所新入幕。99年名古屋場所で横綱昇進。03年九州場所後に引退。優勝12回。通算779勝294敗115休。96年1月に日本国籍取得。08年4月、日本人女性と結婚した。