早実・清宮の高校通算100本塁打が近づいてきたが、ソフトバンクにも高校時代に97発をマークしている将来の右の大砲候補がいる。初芝橋本(和歌山)から15年ドラフト5位で入団した黒瀬健太内野手(19)だ。

 今年の春季キャンプで右手親指を骨折したが、5月になってファームで実戦復帰。プロ1年目の昨季は終盤に2軍デビューを果たし、ウエスタン・リーグで3本塁打を放つなど、豪快なフルスイングが魅力だ。

 黒瀬獲得に携わった永井球団統括本部副本部長補佐は「確かに高校のグラウンドは狭かったが、何より飛ばす力があった。ほかの高校生にはもっとバットコントロールに優れた選手もいたけど、あれだけ飛ばせる選手はほかにはいなかった」と、当時を振り返る。

 初芝橋本のグラウンドは中堅約110メートル、右翼約87メートル、左翼約95メートルと手狭だが、サッカー部が練習をしていた右翼側には打たないように指示が出されており、打球は左翼のさらに奥にある高さ約10メートルのネットを越えてテニスコートまで飛んでいくことが多かったという。「僕の持ち味はフルスイングなので、それだけは忘れないようにしっかり振っていきたい」と話す黒瀬。選手層の厚いソフトバンクでどこまでレギュラー争いに割って入れるか、将来が楽しみだ。【ソフトバンク担当 福岡吉央】