ヤクルトのトニー・バーネット投手(31)が2日、ポスティングシステムを利用して米大リーグ復帰を目指すと表明した。都内の球団事務所で会見を行い、「日本でプレーしている時は日本の試合に集中していたが、ずっと頭の中にメジャーのことが浮かんでいた」とMLBへの思いを明かした。米球界経験者が、復帰のために同制度を利用するのは初となる。

 球団は譲渡金を50万ドル(約6000万円)に設定。支払う意思のある全大リーグ球団と30日間、交渉可能となる。ヤクルトには獲得球団から譲渡金が入るため、「球団への感謝の気持ちもある。ただ単にサヨナラという形でフリーエージェント(FA)になるよりは、ポスティングで自分の道を決めていきたいと思った」とバーネット本人が制度利用を希望した。

 球団は5日に日本野球機構(NPB)へ申請予定。11月30日に提出する保留者名簿にもバーネットの名を載せ、残留交渉を継続するが、小川淳司シニアディレクター(58)は「(交渉がまとまれば)戦力的にはかなりダウンすることになる。そこは考えていかないといけない」と話した。

 バーネットは米マイナーから10年にヤクルト入団。6年間で通算260試合、11勝19敗97セーブの成績を残し、2度のセーブ王を獲得。今季14ぶりのリーグ優勝に貢献した。