世界一を目指す侍ジャパンがB組1位で決勝トーナメント進出を決めた。米国に対し13安打10得点と打線が爆発、大勝で4連勝を飾った。先発菅野智之(26=巨人)が先制を許すなど4回を2失点と苦しみながらも粘りの投球を見せると打線が強力援護。4回に筒香嘉智(23=DeNA)の適時打で1点差とすると、6回に再び筒香の適時打で追いつきなおも中田翔(26=日本ハム)の3ランで一気に勝ち越し。7回には松田宣浩(32=ソフトバンク)の満塁弾などで5点を奪った。投げては5回から登板した2番手則本昂大(24=楽天)以降4投手が無失点でつないだ。
侍ジャパンの次戦は15日。ベネズエラと対戦する。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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日 本 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0 | 0 | 10 |
米 国 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
【日】菅野、則本、山崎、増井、沢村
【米】グルーブ、シモンズ、イーブランド、サッターホワイト、フォーサイス、コールマン
- 日本対米国 米国に大勝し予選ラウンドを1位通過した日本チーム(撮影・たえ見朱実)
【1回表】
米国先発は194センチの長身右腕グルーブ。先頭の1番秋山は詰まった当たりの遊直。2番坂本は初球を打ち上げ二飛。3番山田は遊ゴロ。3者凡退に終わった。
- 日本戦に先発する米国のグルーブ(撮影・加藤哉)
【1回裏】
日本先発は菅野。先頭の1番メイに9球粘られ四球を与えると、2番フレイザーにはストレートの四球。いきなりピンチを背負う。3番ブラックは三ゴロに仕留め1死一、三塁。4番ブラックは遊ゴロ。遊撃坂本-二塁山田-一塁中田と転送され、最後は中田が体をいっぱいに伸ばし捕球。併殺を完成させ何とかしのいだ。菅野はホッとした表情でグラブをポンポンと叩く。
- 日本対米国 1回裏米国1死一、三塁、ブラックを併殺打に仕留めグラブをたたく菅野(撮影・河野匠)
【2回表】
4番中村剛は投ゴロ。5番筒香は二ゴロ。今大会好調の6番中田も変化球を見逃し三振。この回も3者凡退に終わる。
菅野1発浴び先制許す
【2回裏】
菅野は5番マーティンを空振り三振に仕留めるが、続く6番マクブライドに豪快に左翼席へ運ばれる。2死後、7番パストーニッキーに中前に運ばれるも後続は断った。序盤に先制を許す苦しい展開に。
- 2回裏米国1死、マグブライドに先制ソロ本塁打を浴びる菅野(撮影・たえ見朱実)
【3回表】
先頭の7番松田は一ゴロ。8番中村晃は、投手強襲安打で出塁するが、9番嶋は大きな当たりの右飛、1番秋山は鋭い打球も投ゴロに倒れ無得点。
菅野ピリッとせず、侍ジャパン追加点許す
【3回裏】
菅野は先頭の1番メイを空振り三振に仕留めるが2番フレイザーに右中間を破られ、カットプレーの乱れもあり三塁打とされる。続く3番エイブナーにはしぶとく右前に落とされ2点目を奪われる。なおも4番ブラックに中前に運ばれ1死一、三塁。5番マーティンを空振り三振、6番マクブライドは左飛に抑え最少失点で切り抜ける。
筒香適時打で侍ジャパン反撃開始
【4回表】
先頭の2番坂本は打ち上げて三飛。3番山田は鋭い打球で遊撃のグラブを弾く安打で出塁。4番中村剛が空振り三振に倒れるが、捕手がボールを弾く間に山田は二塁に進む。5番筒香は左中間を深々と破る適時二塁打で日本が1点を返す。なおも2死二塁のチャンスだったが6番中田は左飛に倒れる。
- 日本対アメリカ 4回表日本2死二塁、筒香は左越え適時二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
【4回裏】
菅野は先頭の7番パストーニッキーを歩かせてしまうが、続く8番モリンを一ゴロ併殺に仕留める。9番ソトは空振り三振。この試合初めて3者凡退に抑える。
【5回表】
先頭の7番松田は遊ゴロ、8番中村晃は左飛と簡単に2死も、9番嶋はしぶとく二塁へ内野安打。一塁への送球が悪送球となり、嶋は二塁へ進む。チャンスで1番秋山が鋭く一、二塁間を破り、嶋が一気に本塁を狙うも右翼手の好返球にあいタッチアウト。同点ならず。
【5回裏】
日本は2番手則本(楽天)が登板。先頭の1番メイから空振り三振を奪うと、後続も断ち3者凡退に退ける。
- 日本対アメリカ 5回、日本の2番手で登板する則本(撮影・加藤哉)
筒香同点打、中田が勝ち越し3ラン!
【6回表】
米国は2番手右腕シモンズが登板。先頭の2番坂本は中飛。3番山田が四球を選ぶと、続く4番中村剛が初球を中前に運び1死一、二塁とする。ここで米国は3番手左腕イーブランドにスイッチ。5番筒香はバットを折りながら中前に運び、二塁走者の山田が一気に同点のホームを踏む。なおも一、二塁で6番中田が左中間へ完璧な一撃。勝ち越しとなる3ランを放った。7番松田は空振り三振に倒れるが、8番中村晃はしぶとく中前打。9番嶋は空振り三振に倒れた。
- 日本対米国 6回表日本1死一、二塁、勝ち越しの3点本塁打を放ち大喜びで大西コーチ(左)の出迎えを受ける中田(撮影・河野匠)
【6回裏】
則本は先頭の4番ブラックに右前打を許すが、5番マーティンを捕邪飛、6番マクブライドを空振り三振に仕留める。7番パストーニッキーに中前に運ばれ一、三塁とされるが、8番モリンを最後は151キロ直球で空振り三振。気迫の投球でピンチを切り抜ける。
- 日本対米国 6回裏米国2死一、三塁、モリンを三振に仕留めガッツポーズを見せる則本(撮影・河野匠)
筒香適時打に松田満塁弾! 侍ジャパン大量リード
【7回表】
先頭の1番秋山が四球で出塁。米国はここで4番手右腕サッターホワイトが登板。2番坂本は一塁方向へしっかり犠打を決め1死二塁とする。3番山田も四球を選び一、二塁。4番中村剛は捕邪飛に倒れるが、5番筒香がしぶとく中前に落とす適時打で貴重な追加点を挙げる。一塁走者の筒香に代走平田(中日)が送られる。6番中田は四球でなおも2死満塁のチャンスで7番松田が初球を叩き左翼席へ満塁弾。6回に続く打線爆発で一気にリードを広げた。なおも8番中村晃が左前打で続くも9番嶋は見逃し三振に倒れた。
- 7回表日本2死満塁、満塁弾を放ち気合の入った表情を見せる松田(撮影・河野匠)
【7回裏】
日本は3番手山崎(DeNA)が登板。代走の平田がそのまま左翼に入り5番。山崎は9番ソトから空振り三振を奪うときっちり後続も断ち3者凡退に退けた。
- 日本対米国 7回裏米国2死、フレージャーを一ゴロに仕留め声を上げながらカバーに向かう山崎(撮影・河野匠)
【8回表】
米国は5番手左腕フォーサイスが登板。先頭の1番秋山は遊撃へ内野安打、一塁への悪送球の間に二塁へ進んだ。2番代打の今宮は中飛に倒れたが、3番山田は四球を選び一、二塁。米国はここで6番手右腕コールマンが登板。4番中村剛は遊ゴロ併殺に倒れた。
【8回裏】
日本は4番手増井(日本ハム)が登板。代打の今宮がそのまま遊撃に入り2番。9番嶋に代わり捕手で中村悠(ヤクルト)が入った。増井は先頭の3番エイブナーを中飛、4番ブラック、5番マーティンを2者連続空振り三振に仕留めるナイスピッチング。
- 日本対米国 日本の4番手で登板する増井(撮影・加藤哉)
【9回表】
先頭の5番平田が四球を選び出塁も6番中田、7番松田は連続三振。8番中村晃も二ゴロに倒れ無得点。
【9回裏】
日本は5番手沢村(巨人)が登板。3番山田に代わり中島(日本ハム)が入り遊撃。沢村はきっちり3者凡退で締め、侍ジャパンが大勝しB組1位で決勝トーナメント進出を決めた。
- 日本対米国 9回裏米国2死、モリンを一ゴロに仕留めた沢村(左)は中田翔から勝利球を笑顔で受け取る(撮影・河野匠)
<日本スタメン>
(中)秋山翔吾(西武)
(遊)坂本勇人(巨人)
(二)山田哲人(ヤクルト)
(指)中村剛也(西武)
(左)筒香嘉智(DeNA)
(一)中田翔(日本ハム)
(三)松田宣浩(ソフトバンク)
(右)中村晃(ソフトバンク)
(捕)嶋基宏(楽天)
先発投手 菅野智之(巨人)
<米国スタメン>
(中)メイ
(二)フレージャー
(右)エイブナー
(指)ブラック
(一)マーティン
(左)マクブライド
(三)パストーニッキー
(捕)モリン
(遊)ソト
先発投手 グルーブ
<その他のゲーム>
<日本メンバー>
<投手>
10 松井裕樹(20=楽天)
11 菅野智之(26=巨人)
14 則本昂大(24=楽天)
15 沢村拓一(27=巨人)
16 大谷翔平(21=日本ハム)
18 前田健太(27=広島)
19 増井浩俊(31=日本ハム)
21 西勇輝(25=オリックス)
22 大野雄大(27=中日)
24 山崎康晃(23=DeNA)
29 小川泰弘(25=ヤクルト)
30 武田翔太(22=ソフトバンク)
35 牧田和久(31=西武)
<捕手>
27 炭谷銀仁朗(28=西武)
37 嶋基宏(30=楽天)
52 中村悠平(25=ヤクルト)
<内野手>
2 今宮健太(24=ソフトバンク)
3 松田宣浩(32=ソフトバンク)
5 川端慎吾(28=ヤクルト)
6 坂本勇人(26=巨人)
9 中島卓也(24=日本ハム)
13 中田翔(26=日本ハム)
23 山田哲人(23=ヤクルト)
60 中村剛也(32=西武)
<外野手>
7 中村晃(26=ソフトバンク)
8 平田良介(27=中日)
25 筒香嘉智(23=DeNA)
55 秋山翔吾(27=西武)
【プレミア12メモ】
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催で新設された国際大会で、4年に1度開催。世界ランク上位12チームが出場する。1次ラウンドは6チームずつ2組に分かれ、各組上位4チームが決勝トーナメントに進む。
【主な大会規定】
◆1次ラウンドは6チームがA、B各組に分かれ、総当たりで対戦。上位4チームずつが決勝トーナメントに進む。
A組はキューバ(WBSCランク3位)、台湾(4位)、オランダ(5位)、カナダ(7位)、プエルトリコ(9位)、イタリア(11位)。B組は日本(1位)の他、米国(2位)、ドミニカ共和国(6位)、韓国(8位)、ベネズエラ(10位)、メキシコ(12位)。
指名打者制を採用し、球数制限はなし。コールドは5回15点差、7回10点差以上で適用し、準決勝、決勝では適用しない。延長10回以降は無死一、二塁からタイブレーク制。使用球はミズノ社製(NPB統一球)