巨人高橋監督が日本の国技に学んだ。19日、両国国技館での大相撲初場所を訪れた。初の生観戦。中入り後から結びまで約1時間、升席から食い入るように見つめた。「野球は9人で戦うが投手、打者もその時は1人で戦うもの。相撲と通ずる部分がある。立ち合い、間合いは参考になるし、感じるものがある。選手が見てもいいのでは」。18・44メートルのバッテリー間と土俵に勝負の縮図を感じた。

 錦戸親方(元関脇水戸泉)との親交がきっかけだった。腰の手術を受けた直後の10年に共通の知人を介して知り合った。部屋を訪問し「体幹、お尻回りに安定感が出るし、すごくいい」と正しい四股の踏み方を習い、取り入れた。鈴木を連れ立って見学することもあった。監督就任後、正月明けにあいさつした際に誘われ、観戦が実現した。

 昔から相撲好きで、かつてのお気に入り力士は愛称ウルフをともにした横綱千代の富士と「平成の大横綱」貴乃花。初場所は現役時代は自主トレ時期と重なり、トレーニング後の食事前にテレビ中継を見ていた。

 画面を通じてではなく、肉眼に焼きつけた大相撲。視線の先には最強横綱、白鵬の姿があった。「圧倒的な存在感。迫力があった」。巨人を球界の大横綱に育んでいく。【広重竜太郎】