日本ハム大谷が熱烈な祝福に迎えられた。30日、日本シリーズを戦った広島から、チームとともに北海道へ戻った。10年ぶり日本一での凱旋(がいせん)に、新千歳空港に集まったファンは約1000人。特に大きな歓声を浴びた大谷は「実感はそんなにないですけど、(ファンが)喜んでくれたのはうれしかったです」。激戦と移動の疲れは濃いが、緊張から解き放たれた安堵(あんど)もにじんでいた。

 日本一フィーバーは一般利用客、選手に危険が及ぶため、仕切りテープでバスまでの花道を確保し、警察官も通常より多い10人以上が対処に当たった。空港警備会社のスタッフは「1000人以上が集まって、これだけの警備態勢を敷いたのは、最近ではチャン・グンソクさんが北海道に来られたとき以来だと思います」。日本の若い女性に絶大な人気を誇る韓流スターと肩を並べた。

 大谷は来月上旬、野手として選出されている侍ジャパンの強化試合が予定されているが、今後について「まだ何も考えていません」。まずはゆっくりと体を休め、その後、再び国際舞台へと向かう。このオフも、大谷の成長は続いていく。【本間翼】

 ◆過去の新千歳空港フィーバー 古くは77年、イギリスのアイドルグループ、ベイ・シティー・ローラーズで、千歳空港に追っかけ3000人以上が訪れた。事故につながる可能性があったため、ファンを屋上へ誘導して隔離。02年のサッカーW杯時には、ベッカム擁するイングランド代表が専用機で新千歳空港に到着。直接、宿泊地にバスで乗り込み混乱はなかった。03年12月に日本ハム新庄が本拠地移転後、初来道した時はファン500人が集結。04年夏の甲子園で初優勝した駒大苫小牧の凱旋(がいせん)帰道には1700人、連覇達成の05年には2200人が出迎えた。