中日が、DeNA山口俊投手(29)が国内FA権を行使した場合、獲得に乗り出すことが30日、分かった。外国人、ドラフトだけでなく課題の投手陣強化へ打てる手はすべて打つ。

 森監督は25日のオーナーとの面談で「投手陣が少し心細い」と戦力の現状報告をした。FA選手の調査を本格的に進めることを示唆していた。「みんながみんなではない」とFA権を保持する選手の中から、より補強ポイントに合致する存在を探してきた。

 中でも完投能力の高い29歳右腕を高く評価していた。5完投、3完封で自己最多の11勝を挙げ、DeNAの3位躍進に大きく貢献した。一方の中日は大野、若松の7勝が最多。軸を欠いた上、先発ローテの頭数がそろわない時期もあった。1年間ローテを守った日本人はいなかった。

 底上げを図るべく現在、沖縄で投手キャンプを張っているが、ここから若手の台頭がなければ陣容は今年と同じ。ドラフト1位で引き当てた明大・柳は即戦力として期待しているが、プロでは未知数だ。来年の飛躍が期待された小笠原は左肘のクリーニング手術が決まり、開幕出遅れが濃厚だ。指揮官が認めるように4年連続Bクラスから脱却するには、まず投手陣の整備が必要になる。

 山口には巨人が本格調査を進めるなど、宣言すれば争奪戦になるのは間違いない。山口がFA行使、交渉解禁となればすぐさまアタックする。