日本ハム栗山英樹監督(55)が24日、来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での、大谷翔平投手(22)の「リアル二刀流」に否定的な考えを示した。元々、外野などの守備に就くことは、今季のチームと同様、認めない方針。一般論として、球数制限のある同大会では完投の可能性は低く、DHを解除しての起用はデメリットが大きいという見解を示した。

 今季10戦9勝と圧倒的な強さを誇った「リアル二刀流」だが、栗山監督は「リアル二刀流は無理だろう。守備は無理だから。球数制限がある。翔平があのボール(滑るといわれるWBC球)なら、3回くらいまでしかいかないかもしれない」と話した。

 来春のWBCは、1次ラウンド65球、2次ラウンド80球、準決勝以降は95球という球数制限が設定される。DHを解除し、先発投手の大谷を打線にも組み込む場合、球数制限で降板の際、2番手以降の投手が打順に入る必要があり、得策ではないとの考えだ。

 大谷の起用法について栗山監督は今後、正式メンバーが決定した段階で「こちらから提案はする」つもり。ならば、結果として「リアル二刀流」で試合に臨むということはなさそうだ。

 疲労を取る目的で「右腕休息期間」を設け、現在はキャッチボールも行っていない大谷。今日25日の選手会納会ゴルフコンペも、4年目で初めて不参加となる。同監督からも、まずは休養をとるように要望は出している。「今年はシーズンも長かった。無理な使い方もしていた。1回(体を)プレーンな状態に戻させている」。徹底した“右腕保護”は、WBCに照準を合わせているからこそ。「リアル二刀流」ではなくても、投打で奮闘する準備を進めている。【本間翼】