ロッテは15日、沖縄・石垣島キャンプ最後の休日だった。この日、一番たくさん子供たちと触れ合ったのは、地元の石垣島出身の大嶺祐太投手(28)だ。

 休みを利用し、離島ターミナルからフェリーで40分ほどの黒島に生まれて初めて向かった。黒島は、畜産で有名な島。人口(約220人)よりも、飼われている牛の数(約3000頭)の方が多いことで知られる。

 幸い、今キャンプ一番の快晴。波も穏やかで、観光地として人気のある竹富島や、昨年訪問した小浜島などを右手に見ながら、定刻通り黒島に到着した。港には「歓迎 大嶺祐太様」の紙を持った黒島小中学校の先生たち。車に乗せてもらい、5分ほどで学校に到着。全校生徒12人(小学生8人、中学生4人)の小さな学校で、温かい出迎えを受けた。

 まず、体育館でキャッチボール。1人1人とボールを投げ合った。実は、7年ほど前まで、この島にも少年野球チーム「黒島カウズ」(カウ=牛)があった。だが、子供の数が減ったため、チームは解散。12人の中で、唯一の野球経験者である男子中学生は、そのカウズで小学校低学年の時にプレーしていたという。多くの子供が、野球になじみがない。「グラブ、どうやってつけるの?」と聞く子もいた。それでも、大嶺祐は丁寧にボールを投げ、みんなで楽しんだ。

 その後は、子供たちが太鼓の演奏を披露してくれた。給食も一緒に食べ、あっという間の2時間だった。あいさつに立った男子中学生からは「八重山という小さな地域から、プロ野球という大きな夢をかなえた大嶺選手に会えてうれしかったです」と、あいさつされた。

 「また来てね」と話す子供たちに「次は、牛をもらいに来るよ」と笑顔でバイバイした。「野球と触れ合う機会が少ない子供たちとキャッチボールをして、楽しんでいる顔を見ることが出来て、来て良かったなと思いました」と、うれしそうに話し、島を後にした。【ロッテ担当 古川真弥】