巨人が広島に勝てない。0-9で惨敗し、広島戦は6連敗で今季1勝9敗となった。先発宮国椋丞投手(25)が4回途中7失点KOと、投手陣は今季ワーストの15安打を浴びて9失点。打線も同ワーストタイの4安打で今季4度目の完封負け。42年以来75年ぶりの「10試合連続本塁打ゼロの1ケタ安打」の貧打に陥り、3連敗で勝率は5割に落ちた。

 怒りで唇だけが震えていた。完膚なきまでにやられた試合後の会見。高橋監督はいつものポーカーフェースで報道陣の前に立った。まずは4回途中KOの宮国について、質問を受ける。「日にちを与えているのに、困ったものですよね。何を準備してきたのかなという感じですね。(勝負に)なってないんじゃないですか、あれじゃね」。悔しさ、歯がゆさ。冷静な指揮官が発した、上ずった声に、珍しく感情がにじみ出た。

 無理もない。中8日で登板させた宮国が初回から乱調。必要以上に被安打を警戒して四球を出すと、今度は四球を嫌って連打を浴びた。広島戦は今季10戦で28得点で、72失点。開始早々から悪循環に陥った。

 終始劣勢の展開が、貧打に追い打ちをかけた。ここ9戦連続、1ケタ安打で本塁打のない現状を考えると、ロースコアに持ち込むのが勝利への絶対条件だった。反撃への焦りがさらなる重圧を生み、広島九里の前にことごとく凡打を積み上げた。本塁打どころか、安打すら止まった。