<中日2-4横浜>◇30日◇ナゴヤドーム

 投手王国に意外な弱点!?

 中日は2-2で迎えた7回、2番手平井が村田に勝ち越し二塁打を浴び、8回に3番手高橋が吉村にだめ押しの6号ソロを許した。反撃及ばず、連勝は3でストップ。開幕以来先発陣の好投に継ぐ好投で貯金を増やしてきたが、登板機会の減った中継ぎ陣がここにきて打たれた。実戦感覚が鈍ったわけではないだろうが、先発がよすぎるのも考えものかも…。

 落合監督は、薄笑いを浮かべて会見場に現れた。定位置のイスに腰掛ける直前に「何もない。帰っていいか。何もない時は何もないわな」と言い放った。そしてイスから浮かせていた腰を上げてくるりと回れ右して出口へ。今季最短わずか7秒で会見を打ち切った。

 無理もなかった。2-2の7回、力投した先発川井をリリーフした平井が、2死一塁から村田に勝ち越し適時二塁打を浴びた。決め球のフォークをはじき返されて「(フォークが)落ちても打たれたらしょうがないです」と悔やんだ。

 さらに8回、高橋が1死から吉村に左翼ポール直撃の6号ソロを許した。6回裏に同点に追いついたばかりだったが、あっさり勝ち越され、たたみかけられた。同点の場面で中継ぎが失点して試合を落としたのは今季初のケース。「守り勝つ野球」で接戦を拾う得意の形が崩れた。

 先発王国の副作用かもしれない。今季は「先発7人体制」を敷き、先発陣の圧倒的な安定感で白星を重ねてきた。先発要員のロング救援もこなし、中継ぎ陣の3連投は1度もない。その分、登板間隔が空きがちになる。この日の平井は中3日、高橋は中5日。ベンチには19日横浜戦以来11日間も登板がない中里もいる。今季初黒星がついた平井は「明日、頑張ります」。高橋は「低めに投げればよかった。登板間隔?

 関係ないです。任された回をゼロに抑えるだけ」と話した。

 長いシーズンを戦う上で中継ぎ陣の活躍は不可欠。この日の敗戦はオレ竜の意外な弱点を暗示しているかもしれない。【益田一弘】