広島前田健太投手(20)にプロ2度目の先発チャンスが巡ってきた。10日、1軍練習に合流し千葉遠征に帯同。明日12日のロッテ戦先発が有力だ。4月5日にプロ初先発(初登板)したが、その後は2度の先発機会を「雨」に流された。12日も雨予報となっているが果たして…。また、ロッテの先発は広島がクジで外した黄金新人・唐川との予想。注目の若武者対決を制してプロ初勝利をつかむ。

 今度のチャンスは逃せない。広島市民球場で行われた練習に姿を現した前田健の表情に、プロ初白星への気合がにじんだ。

 「投げられれば勝ちたいですね。上で投げれることはうれしい。2軍に落ちたときも、1軍に上がることだけを考えてやっていた。『また1軍で』と思えたのでモチベーションはまったく落ちませんでした」

 2軍の打者を相手にしても、常に前田健は仮想1軍で投げていた。そんな中で昇格コールを聞いた。心身ともに準備は万端だ。

 1軍・2軍の昇降格を繰り返すこと2回。「先発要因」として計3週間も1軍にいたが登板は先発1回、中継ぎ1回のたった2試合だ。運がなかった。先発予定だった4月17日の阪神戦(甲子園)は雨で流れ、同じく5月11日のヤクルト戦は前日の中止で篠田がスライド登板したため、前田健が飛ばされた。

 「そうなんですよ。雨で流れて、1イニング(中継ぎで)投げただけで2軍落ちとかありましたから。悔しいですよ」。今度の千葉も雨予報だが「慣れていますから(笑い)」と悠然としたもの。それより1軍で再び投げられる喜びが全身にあふれていた。

 2軍調整中は内角への直球を多く使うことがテーマだったという。5月19日の登録抹消後、山内2軍投手コーチに「もっと内角を使った方がいい」と指摘され、挑戦してきた。「スライダーがだいぶよくなったので、それを生かすために内に多く投げることを意識した。ここ何試合かはしっかりできました」。

 7日の2軍サーパス戦では3回を無失点投球。当日は中村が先発予定だったが、前日6日に1軍で篠田が炎上し2軍行きが決まったことで、急きょ前田健が調整マウンドに立った。

 投げ合う相手はロッテの黄金ルーキー唐川になりそうだ。「あまり意識はしていないけど、同じ選抜に出ていたんですよね」。高校3年春の甲子園はPL学園のエースとして4強進出。一方で唐川は1学年下ながら前田健に並ぶ145キロを出して脚光を浴びた。あれから2年。舞台を変えて若武者右腕が初対決する。

 昨秋の高校生ドラフト1巡目で唐川を外しているブラウン監督も意識している。「楽しみだね。非常にいい投手。ロッテのユニホームを着ているのが残念だけど」。交流戦の勝率が5割のチームにとっても、千葉・埼玉の4試合は大きな関門。前田健がプロ初白星をつかめば、カープにもはずみが付く。【柏原誠】