<ヤクルト2-6横浜>◇10日◇神宮

 最下位に沈む横浜だが、4番打者は自慢できる。村田が2本塁打などで6打点を挙げた。先制適時打、逆転3ラン、ダメ押し2ランと、すべてが勝利に結び付く打撃だった。2回には守備でもジャンプして捕球する美技を見せた。「先発の小林も頑張っていたし、リリーフも踏ん張ってくれた。何とか援護したいと思っていた」。まさに大黒柱の活躍だった。

 大活躍の理由は、普段からの心構えにある。大矢監督が言う。「チームの負けが込んでくると、つい雑な打撃をしてしまうもの。でも、村田は1打席1打席を本当にていねいに臨んでいる。その点に頭が下がる」。苦しむチームは主導権を持ったままで試合を進められない。大敗あり、だらしない逆転負けあり。つい気も抜けてしまうが、村田は緊張感を維持すべく戦っている。

 「チームが負けているからって、いいかげんにやったら自分にはね返ってくる。打撃なんて、すぐにおかしくなってしまいますからね」。こういう男が主軸にいれば、チームが立ち直る可能性はゼロではない。ただ1つ。ヒーローインタビューで「6打点?

 長いシーズン、こういう日が1日や2日あってもいい」と言った。1日や2日では、チームもファンも困るだろう。【飯島智則】