横浜がロッテのエース清水直行投手(33)を金銭トレードで獲得する方針を固めたことが30日分かった。横浜は今オフ、投手を中心にした大補強を明言しており、目玉として清水獲得に全力を注ぐことになった。清水は昨年国内FA権を取得したが行使せず、2年契約を結んでチームに残留した。今後は清水がFA権を行使しなければ本格交渉に入り、「横浜清水」が誕生する。

 横浜が2年越しの恋人、清水の獲得へ向け「ウルトラC」を用意していた。日本シリーズ後に巨人尾花高夫投手総合コーチ(52)に監督就任を正式要請し、新チームへ生まれ変わる横浜にとって2年連続最下位脱出へ向けた戦力補強は必要不可欠だ。そこで浮上したのが清水トレード案だった。本気でAクラス入りする布陣を整えるため、交換トレードではなく金銭での移籍が有力視されている。

 清水については、昨年同投手が国内FA権を取得した際も獲得へ向けた調査を行っていた。その時は清水が直前まで悩んだ末に権利を行使せず、ロッテに残留して2年契約を結んだ。そのため清水が今オフにFA権を行使しないことを明言すれば、球団間でのトレードに支障はない。

 横浜関係者は現時点では「ウチにとって最大の補強ポイントは投手。清水選手は素晴らしい投手だが、正式に行使しないことを表明するまでこちらは何とも言えない」と話すにとどめた。

 だが、若林オーナーがオフの大補強を明言している。2年連続最下位の最大の要因となった投手陣のてこ入れに全力を尽くす構えだ。エース三浦がいるものの先発ローテーションは外国人投手に頼るところが大きく、先発の強化は課題として残っている。三浦との2本柱が構築できれば、低迷脱出の基盤になる。ロッテのエース獲得で、チームの躍進に結びつけたいところだ。清水は6度の2ケタ勝利をマークするなどエースの座を守ってきた。今年まで3年間、選手会長を務めるなどリーダーシップも発揮。横浜はローテーションを守れる経験と技術だけでなく、人間性も高く評価している。

 FA戦線では同じくロッテの橋本の獲得に動く見込みで、当初関心を持っていた日本ハム藤井については清水獲得が実現すれば撤退する方向。「横浜清水」が誕生する日も近そうだ。

 [2009年10月31日8時28分

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