<セ・パ誕生60周年記念試合:プロ選抜1-1大学日本代表>◇22日◇東京ドーム

 刺激と楽しさが詰まった勝負だった。巨人坂本勇人内野手(20)は試合後、同い年である早大・斎藤佑樹投手(3年=早実)との対戦を穏やかな表情で振り返った。「打席に立って、ストレートがすごくきているなと感じた。映像で見たものとは違うところがあったし、いいピッチャーだと思った」。1打席、3球のみだったが、ボールを通じて感じるものがあった。

 特別な感情とは別に、勝負に徹した。カウント2-0からの3球目。斎藤の甘く入ったスライダーを見逃さなかった。直球2球の後のウイニングショットを、シーズン中に見せてきた得意のヒットコースである左前へ運んだ。「変化球が抜けてきたところをしっかりとらえることができた」とプロの意地を見せた。

 プロ選抜に選出された日、坂本の脳裏には高校時代の思い出がよみがえってきた。「あれから3年たつんですか。早いですよねぇ。斎藤君との対戦?

 彼は甲子園のスターでしたから。実は、僕も(3年の)センバツに出てるんですけど…。高校の時は注目度が違ったけど、今はプロでやっている意地もある。対戦すれば、いい結果を残したいですね」と静かに闘志を燃やしていた。

 「僕らの代にすごくいいピッチャーがいるんですよね」。すでに耳には入っていたが、この日、同年代選手の高いレベルを肌で感じた。「すごい力を持っているピッチャーが多かった。刺激しあえればいいですね」と目を輝かせた。

 WBC日本代表が着用した同じデザインのユニホームを着て、「日の丸」への思いも高ぶった。「前回のWBCもすごく盛り上がっていましたし、ぜひそういう舞台に立てるように頑張りたい」と新たな目標を立てた。リーグ3連覇に日本一。激闘の09年シーズンを終え、来季へ歩を進める。【久保賢吾】

 [2009年11月23日9時40分

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