<阪神5-1ヤクルト>◇10日◇甲子園

 阪神上園啓史投手(25)が633日ぶりの復活星をあげた。初回2死満塁のピンチをしのぐと、直球は140キロ前後ながら強気な攻めで要所を締める。「打たれて後悔したくない」と城島のサインに何度も首を振り、6回1/3を1失点。07年の新人王が、08年7月16日ヤクルト戦(甲子園)以来の勝ち星を手にした。

 昨季は1軍1試合登板で0勝。2軍で中継ぎも経験したが「外れている現状がすべて」と気持ちを切らさなかった。今季は新助っ人フォッサムを抑えて開幕ローテ入り。好投が白星に結びつかなかったが、3試合目で待望の初勝利だ。「やっぱり去年はしんどかった…」と感慨にふけった。

 昨年12月中旬。大阪・羽曳野市内のある施設をボランティアで訪問した。小学3年から中学3年の41人が寝泊まりを共にし、野球チームもあった。「ちょっと練習すれば高校で通用するような子もいたけど、その子には両親がいなかった」。薬物中毒の親、9年間会いに来ない親を持つ子もいた。夜の給食を一緒に食べ、別れ際には子供たちが泣いてくれた。「僕も泣きそうになって…」。自分の恵まれた環境に気づいた。

 子供たちに勇気を与えるためにも、活躍しようと心に決めた。1勝だけでは満足しない。「こんなヘロヘロ球だけど、気持ちで今日みたいな投球をしたい」。上園はすがすがしい表情だった。【佐井陽介】

 [2010年4月11日12時3分

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