19歳右腕の中日伊藤準規投手(19)が12日、遠投による“突貫工事”を受けた。ナゴヤ球場の屋内練習場で森ヘッドコーチが約30分間、マンツーマン指導。11日巨人戦ではわずか2イニングで降板し、プロ初黒星を喫していた。課題は明白。持ち味のキレのある直球を取り戻すことだった。

 2、3歩ステップを踏んで、50メートルの遠投。地道な動きを繰り返した伊藤は「指にかかった良い球を投げ続けるということ。昨日は指にかかった球とかからない球にばらつきがあった。リストを使って回転のある球を投げることが大事。そうすれば球威も上がってくる」と工事の目的を話した。

 最速150キロ超を誇る自慢の球速が、巨人戦では143キロ止まり。球威が戻る気配がなかったことも、2回でタオルを投入された原因でもあった。

 前日の試合後に森ヘッドは「次?

 そんなものはありません」と突き放したが、ラストチャンスは与える見通し。伊藤は「ギリギリだと思う。チャンスが与えられる限りは結果を残せるように頑張りたい」と悲壮な決意を語った。4日阪神戦でのプロ初勝利から一転して背水の立場となった19歳。次のマウンドにすべてをぶつけるしかない。【桝井聡】

 [2010年4月13日10時39分

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