<ヤクルト8-4阪神>◇27日◇神宮

 投手陣が乱れた阪神が、1カ月ぶりの2連敗となった。先発フォッサムが5回途中4失点で降板すると、リリーフ陣も悪い流れを止められない。上園、渡辺、西村が失点を重ね、敗戦を決定づけた。チーム打率はリーグトップの2割7分5厘だが、防御率は4位の4・04。「打高投低」が際立つ中、29日から中日、巨人との6連戦。こんな調子で大丈夫?

 上位決戦を前に不安を残す試合内容だった。約1カ月ぶりの2連敗で、ヤクルトにまさかの負け越し。首位巨人とのゲーム差は「4」で変わらないが、真弓明信監督(56)は言葉に危機感をにじませた。「これから連戦も出てくる。これからの方が中継ぎもしんどくなる。もう1度、整備していきたい」。リリーフ陣の足並みの乱れ。蒸し暑い梅雨に頭の痛い悩みが浮上した。

 開幕から先発陣の早期降板が目立ち、中継ぎの疲労が懸念されていた。この日もフォッサムが5回持たずに降板。後を継いだ上園も味方の拙守もあり、ヤクルトの勢いを止められなかった。渡辺、西村という頼りにしてきたセットアッパーもそれぞれ失点を許した。

 特に西村は2試合で3被弾。1軍生活は実質1年目で「壁」にぶつかる時期ではある。ブルペン担当の山口投手コーチは「心配やな。休ませられたらいいが…。力のある者から出していくし(勝利の方程式を)作っていかないといけない。克服してもらわないと」。23歳の右腕に対し、配置転換は考えず、乗り越えてもらうことを期待した。

 リーグ戦再開後、下位3球団との敵地戦は4勝3敗。貯金を1つしか作れなかった。「もうちょっとできた、というのはある」と指揮官も誤算を認めた。打力は安定しているが、やはり投手力が心もとない。20日横浜戦の14失点やこの日の8失点のように、投手陣が崩れて、一気に試合が壊れるケースが見られる。「攻撃も守りも、しっかりと粘っていってくれないと、(勝ち星を)拾えない」と真弓監督は言う。

 29日から中日、巨人との6連戦が控えている。7月には9連戦も組まれている。前半戦の正念場で、投手力が鍵を握ることは間違いない。巨人追撃のためにも、先発、リリーフ陣ともに整備が急務となった。【田口真一郎】

 [2010年6月28日11時44分

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