<巨人2-8阪神>◇3日◇東京ドーム

 つっ、強すぎますわ。阪神が3年ぶりの巨人戦5連勝。貯金を2ケタ10に乗せる今季40勝目で、ついに首位巨人に2ゲーム差に迫った。4回、阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)の逆転2ランで火がつき、選手会長・鳥谷敬内野手(29)も9号3ラン!

 この回一挙5点を奪って圧倒した。鳥谷がG戦で本塁打すれば13連勝。長女が誕生したばかりのリードオフマンも、勝利に酔うファンも幸せいっぱい、夢いっぱい。さあ、3タテ食らわせるで~。

 クールな表情とは裏腹に、鳥谷は熱い魂の持ち主だ。「追い込まれていたんで、球種に関係なく何でもいこうと、食らいついていきました。ホームランはたまたまです」。がむしゃらにバットを白球にぶつけ、センターバックスクリーンの右に運んだ。伝統の一戦、選手会長が試合の行方を決めた。

 4回。ブラゼルの逆転2ランが飛び出し、1点リード。なおも1死一、二塁で9番鶴が犠打に失敗した。2死一、二塁。ここで若虎のミスを帳消しにした。「ミスが出た後だったんで、何とかしたかった」。早大の先輩、藤井にカウント2-2と追い込まれての5球目。外寄りスライダーをとらえ、2戦連発の9号3ランだ。この回一挙5点。狭い東京ドームでは貴重な追加点を奪う一撃の後、三塁ベンチ前で大和、藤川俊と3人で両手の人さし指、中指を突き上げた。米子遠征で若手と食事した際に考えたポーズも初披露した。

 うれしい知らせが届いていた。前日2日の午後、兵庫・芦屋市内の病院で裕子夫人が第3子となる長女を出産。携帯電話の写真メールで2628グラムの愛娘を目に焼きつけた。「まだ生まれたばかりですから」と照れ笑いしながらも、新しい生命にパワーを得たように直後の試合から2戦連発。「子供は関係ないですよ。チームが勝ってくれたら十分です」。そう話す表情に幸せがにじんだ。

 素顔は子供思いの優しいパパ。今年で4歳になる長男がこの春、幼稚園に入園。多忙の合間を縫って入園式に駆けつけた。「行きましたよ、普通に」。今年5月5日はナゴヤドームで中日戦を戦っていた。「『こどもの日』はデーゲームの時も多いから…。結局何もしてあげられなかった」。そんな毎日を送るから、時間があればたっぷり愛情を注ぐ。長男とボール遊びを楽しみ「まだキャッチできないんで、投げてもらうだけですけどね」とニッコリ。そして、グラウンドに出れば、プレーで家族を喜ばせる。

 鳥谷が巨人戦で1発を放てば07年から13連勝。“不敗神話”を継続し、チームを3年ぶりのG戦5連勝に導いた。巨人戦で4戦連続の8得点以上は史上初で虎の勢いを物語る。「ホームランを打てる打者が多いから、点差が開いていても、まだまだいけるという感じになる」と話す言葉にも重みがある。40勝到達で今季初の貯金10。首位巨人に2カ月ぶりに2ゲーム差まで迫った。「明日も頑張ります」。もう、虎の足は止められない。

 [2010年7月4日11時34分

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