<阪神6-10ヤクルト>◇8日◇甲子園
ヤクルト加藤幹典投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。阪神戦で今季初先発し、苦しみながらも5回を6安打3失点と粘投。畠山和洋内野手(27)のプロ初となる満塁本塁打などの大量援護にも支えられ、慶大出身の元ドラフト1巡目左腕が待望の1勝を記録した。
「緊張しました。調子うんぬんじゃないです。すごい打線でした」。加藤は苦笑いで振り返った。故障の館山の離脱で巡ってきた2年ぶりの先発マウンドは、胸を張って「好投」とは言えなかった。
1回の立ち上がり、先頭鳥谷への2球目は大暴投でバックネットを揺らした。その後もボール球が先行し、連続適時打で2点を奪われた。3回の新井、4回の代打関本の中飛はいずれもフェンス際まで飛ばされた。それでも、猛虎打線を相手にスライダー、ツーシーム、チェンジアップを駆使した。「相当気持ちが入ってたので疲れました」。全力で5回を投げきった。
捕手からボールを受け取ると、すぐにグラブを腰に置き、投球モーションに入った。小川監督代行が「ヒヤヒヤの連続でしたけど、テンポがよく、それが攻撃にも関係したのかな」と話すように、加藤の独特な投球テンポが打線にリズムを与えた。4回は、1死満塁から加藤自らの適時内野安打で勝ち越し、一挙7得点の猛攻につながった。
神奈川の進学校から慶大に進学した。東京6大学史上20人目の通算30勝を挙げ、07年ドラフトでソフトバンク大場、楽天長谷部とともに「大学ビッグスリー」として期待された。しかしプロでは苦しい日々が続いた。初登板の08年3月30日巨人戦では5回2死から同点打を浴び降板。昨季はわずか1試合の登板で、しかも1死も取れずにKOされた。「つらい思いもかなりして、壁にもぶち当たってきたけど、その経験があって今があると思う」と振り返った。
高校時代に立てなかった甲子園で念願の1勝。チームの連敗も3で止めた。今後も連戦となるため、加藤は次回も先発が有力だ。「これからも結果を出していきたい」。ウイニングボールを手に誓った。【由本裕貴】
[2010年7月9日9時14分
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