<阪神2-0広島>◇19日◇甲子園

 夜の帝王がスイスイと鯉料理!?

 ジェイソン・スタンリッジ投手(31)がわずか2安打で来日初完封をマークした。トラの助っ投で完封勝利は9人目。5連勝で6勝目を飾った。“貯金魔”になりきる真弓明信監督(57)は「残り2つ、取りたい」と球宴前に5連勝フィニッシュで貯金を14まで増やすと豪語した。

 マウンドという舞台に立ち、無数のカクテル光線を浴びる。ハリウッドスター顔負けの男前、スタンリッジの“演技”がフィナーレを迎えた。躍るジェット風船に囲まれ、聖地で初体験の「あと1球」コールが気持ちいい。最後の打者東出は左飛。右手を突き上げ、城島と抱き合った。

 スタンリッジ

 最高に気持ちが良かった。バックがよく守ってくれた。ジョーさんのリードも素晴らしかったし、金本さんのホームランも力になったよ。

 3戦連続完封負けと元気のないコイ打線を簡単に牛耳った。150キロ近い直球、スライダー、カットボールと多くのスパイスをピリリと効かせて「1番自信がある」カーブを引き立てた。01年から4年間所属したレイズ時代、仲間から教わったナックルカーブ。人さし指を立てて投じるボールでカウントを整え、勝負する。アウトの4割以上、8奪三振の半分をこのカーブで奪った。9回113球を投げわずか2安打の無四球投球。今季リーグ最速の2時間21分ゲームと、あれよあれよの完封劇だった。

 実はインテリだ。野球やアメフト選手の次になりたかったのは、なんと医者!

 ヒューイット・トラスビル高校時代に解剖学の授業を受けたのがきっかけだという。「すごく興味を持ってね。医学にかかわる仕事をしたかった。神様がどうやって人間の体を作るのか知りたかったんだ」。ドラフト指名を受けなければ、奨学金での大学進学も視野に入れていた。必死で学んだ肉体の知識は今、フォーム解析に役立っている。

 今季2度目の完投は、ソフトバンク時代も含めて来日初の完封。阪神外国人投手では史上9人目、03年5月5日ヤクルト戦(甲子園)のムーア以来7年ぶりの快挙だ。自身5連勝で6勝目をゲットし、ナイター9戦で無傷の6勝と「夜王」パワーも健在。試合後はジョイ夫人と長男キャッシュ君(1歳)を発見して猛ダッシュ。モヒカン頭の愛息を抱きかかえ、優しいパパに戻った。

 [2010年7月20日11時27分

 紙面から]ソーシャルブックマーク