<中日6-1巨人>◇17日◇ナゴヤドーム
特大140メートルの復帰弾だ!
1軍に再昇格したばかりの中日トニ・ブランコ内野手(29)がド派手な24号3ランで試合を決めた。「5番一塁」で先発出場すると、4回にナゴヤドームの5階席中段に突き刺した。右ひざ痛と打撃不振から立ち直った竜の主砲が、自ら祝砲をぶっ放した。チームはこれで5連勝。ナゴヤドーム10連勝と強さを見せつけ、2位巨人とは1・5差まで迫った。
3万6000観衆とともにかたずをのんで、その行方を追った。ナゴヤドームの視線を独占して、たっぷりと空中にとどまった打球は左翼最上段席へ吸い込まれた。0-0の4回。和田、森野が連打で出塁し、無死一、二塁。打席に立ったブランコは巨人グライシンガーのチェンジアップを見逃さなかった。「今日は気合が入っていた。チャンスだと思って何とかしたかった。良いスイングが出来たと思うよ」。
抹消期間最短の10日間でカムバックしたB砲が、度肝を抜く放物線を描いて見せた。
右ひざ痛と打撃不振で来日初の2軍落ちを告げられたのが8月7日。打率は2割3分9厘、本塁打は23本と昨年キングの数字としては物足りなかった。「自分としてはチームの役に立てていなかったので、(2軍落ちは)前向きにとらえた。マッサージや下半身の強化に取り組もうと思ってね。下半身がしっかりしたことで良いバッティングができたんじゃないかな」。
最初の3日間はバットを握らず、ランニングやウエートトレに費やした。その成果が「外角低めにもバットが止まるようになった」こと。1週間前までは、手が出てしまっていた外角のボール球もこの日はきっちり我慢。クルクルと回っていたバットがピタリと止まった。地道なトレーニングが、本来の打撃へと導いてくれた。6回には、一塁から相手ミスに乗じて一気に激走、ホームインした。
家族の支えもあった。2軍で調整中、練習は午前中に終わる。その分、午後からは家族と過ごす時間が増えた。「夜はほとんど家のテレビで野球を見ていたけど、家族と出かけることも多かった。子どもたちからエネルギーをもらったよ」。16日の夜には自宅で妻ケニアさんに頭をバリカンで丸めてもらい気合を入れた。家族の存在が大きな励みになった。
「前よりは良いだろう。無駄な10日間じゃなかったと思うよ」。落合監督はブランコの復調ぶりを独特の言い回しで表現した。チーム、ファンが待っていた主砲の復帰。ブランコはお立ち台で「ファンのみなさんの前で大きなホームランが打てて良かった。待っていてくれてうれしい。これからももっと、ホームランを打ちたい」と力強く宣言した。決して無駄ではなかった真夏の2軍調整。逆転Vの命運を握る男が、帰ってきた。【桝井聡】
[2010年8月18日10時16分
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