<中日3-0巨人>◇4日◇ナゴヤドーム
逆転Vへの熱い思いがはじけた。中日和田一浩外野手(38)が5回、巨人ゴンザレスから体スレスレの際どいボールを受けて激高。両軍ベンチから一斉に選手らが飛び出し、一触即発のムードになった。1点リードの4回は、2点奪取の足がかりとなる左二塁打。普段は温厚な背番号5が、気迫をにじませてチームを鼓舞し、宿敵をねじ伏せた。
いつもの柔和な表情が鬼の形相に変わっていた。3点リードの5回1死二塁。カウント0-3から巨人ゴンザレスが投じた4球目は、和田をのけぞらせ胸元付近を通過した。3球目とほぼ同じコース。2球続けての際どいボールに、さすがに我慢できなかった。指を2本立てて、ゴンザレスに向かって「2球だぞ!」のジェスチャー。これにはゴンザレスも両手を挙げて応酬。直後に両軍ベンチから選手が一斉に飛び出した。
一塁ベースは空いている状況で投手不利なカウントだった。意図的にぶつけにいったようにも見えるボール。それだけに怒りが爆発した。結局、ベンチから飛び出した選手になだめられ事なきを得たが、その後もドーム内には異様な空気が漂った。
「真剣勝負だからね。ボクは1打席に懸けてるんで。まあ、打席が終わればそれまでのこと。どうってことないよ。お互いに言い分があるだろうけど、彼は人間的にいいやつだからね」。試合後はいつもの笑顔を取り戻し、柔らかな口調で話した。だが、グラウンドにいる背番号5は間違いなく“闘将”だった。
その気迫は確実にチームに伝わっている。ベンチにすわっていた谷繁がすぐさま競り合いの最前線に走り込んだ。「(ゴンザレスは)わざとじゃないだろうけど、状況がね。そういう時期でそういう試合をしているということ。熱くなることは仕方ないこと」。ヒートアップするV戦線。その思いは和田と一緒だった。
左足を負傷しながらも打席に立ち続ける。4回の二塁打が貴重な追加点を生んだ。「これからも命を懸けてというくらいの気持ちで打席に入る。優勝を争っているんだから当然」。和田は静かに闘志を燃やした。【桝井聡】
[2010年9月5日11時27分
紙面から]ソーシャルブックマーク



