<オープン戦:巨人3-7西武>◇3日◇東京ドーム

 西武が「三塁中島」をテストした。不動の遊撃レギュラーを動かした理由を、渡辺久信監督(45)は「いろんな選手に、いろんなポジションを守ってもらう場合がある」と説明した。昨季は故障者が多かったが、不測のアクシデントに備え、複数ポジションを任せる必要がある。さらに「ずっと結果を出している。どこでどう使うか悩む」と急成長を遂げている3年目浅村栄斗内野手の存在が頭にある。

 20歳の若獅子は「1番二塁」で先発出場し、3回に左翼席上段に逆転2ランを運ぶなど2安打。オープン戦17打数8安打の打率4割7分1厘、2本塁打で「目標は開幕スタメン」と言い切った。一方、2度の守備機会を軽快にさばいた中島は「いろいろ教えてもらいながらやりました」。公式戦で三塁の先発出場は08年7月19日以来。将来的に熱望しているメジャー挑戦を見据えても、複数ポジションをこなすことにはメリットがある。

 西武内野レギュラー陣の牙城は堅い。ここ数年、遊撃中島、二塁片岡、三塁中村は不動。浅村は昨年のオープン戦でも結果を出したが、出場機会がなく、2軍降格を告げられた。ただ地力をつけた今回は首脳陣を動かした。土井ヘッドコーチは「1軍レギュラークラスの力がある。彼を生かす方法を考えたい」と出場機会を見いだす布陣の検討に入った。

 渡辺監督は「基本的にセンターラインは動かしたくない。今は一塁が空いている」。浅村には一塁の練習もさせており、守備が不安なフェルナンデスをDHで起用するケースも出てくる。攻撃力のある浅村を生かすオプションを増やすため、オープン戦はさまざまな起用で適性を見ていく。【柴田猛夫】