<中日4-1ロッテ>◇6日◇ナゴヤドーム
若いもんには負けられん!
中日佐伯貴弘内野手(41)がV打&ダメ押し三塁打で試合を決めた。2日連続でサヨナラ弾を放っている23歳平田に負けじと41歳が奮起。4年ぶりの三塁打を含む4打数2安打2打点の活躍で3連勝をもたらした。昨季、日本シリーズで惜敗したロッテには4連勝ときっちりお返しした。
初めて上がった本拠地のお立ち台で佐伯の舌は滑らかだった。インタビュアーからマイクを向けられるとニコリ。2日連続でサヨナラ弾を放った丸顔の平田を頭に浮かべてさらにニンマリ。41歳はユーモアたっぷりにこう話した。
佐伯
ありがとうございました!
6月6日は名古屋に来て一番幸せな日になりました!
今日、一昨日と“肉団子”の平田に派手な活躍をされて持っていかれましたから。
決勝点は渋い一振りからだった。1-1で迎えた6回、2死一、三塁。追い込まれてからの5球目だ。内角高めの変化球をうまくさばいた。ふわりと上がった打球はレフト前にポトリ。三塁走者・野本が決勝のホームを踏んだ。
ダメを押したのもこの男のバットだ。8回の第4打席。1死三塁から外角直球逆らわずに振り抜いてセンター方向へ。ライナー気味の打球は中堅岡田のグラブを弾き、後方へ転々と転がった。自身4年ぶりとなる三塁打。「年も年なのであれ以上は走れません」と苦笑いするが、熟練の技術が決定力不足のチームに得点を運んだ。
野球に対する謙虚な気持ちは、道具に対しても変わらない。開幕前日、シーズンで使うバットを数本、家に持ち帰って神棚に置く。寮を出てから始めた。遠征時も部屋にバットを持ち込む。これまでバットを抱えて寝たことも1度や2度ではない。その思いはこの日も“相棒”にしっかりと乗り移った。
佐伯
ベテランが特別なものではない。若い選手も中堅選手もみんなが勝とうと必死になっている。ベテランがボロボロになってもまたそれはそれで幸せじゃないですか。
チームはピンチを迎えている。ブランコ、谷繁ら主力選手の離脱に加えて主軸の不振。それでも佐伯は笑って前を向いた。お立ち台では最後に「お帰りの際は電車とホームの間が空いているところがございます。ご注意ください」-。ナゴヤドームに詰めかけたファンをドッと笑わせた。泥だらけになって野球をしていることが、うれしくてたまらない。プロ19年生の笑顔がまぶしかった。【桝井聡】



