死球による左ふくらはぎ上部の打撲で約3週間戦線離脱していた巨人小笠原道大内野手(37)が、今日8日のソフトバンク戦で「3番一塁」でスタメン復帰する。7日、原辰徳監督(52)が明言した。岡崎ヘッドコーチは、小笠原の復帰で攻撃力がアップするだけでなく、相手のマークが分散するなどの“ガッツ効果”を期待した。交流戦16戦1敗と快進撃が続くソフトバンクの勢いを、頼れる男が止める。

 時は来た。福岡への移動日となったこの日、原監督は小笠原について「3番一塁でいきます」と、今日のソフトバンク戦でスタメンで復帰させることを明らかにした。

 小笠原は先月13日広島戦で左ふくらはぎに死球を受けてから2軍で調整を重ね、5日のプロ・アマ交流戦のJR東日本戦で実戦復帰と着実に段階を経てきた。チームは2連続完封負け中で沈滞ムード。6日の日本ハム戦後には、原監督が「チームを救う男、男になる選手よ、早く出てこい、というところですね」と起爆剤を求めていた。そんな状況下で、小笠原が救世主となるべく帰ってくる。

 相手は、交流戦でセ・リーグ勢がまだ1勝しかできていないソフトバンクだ。巨人も前回対戦では1-2で2連敗を喫した。ただ、岡崎ヘッドコーチは「小笠原が入ることで攻撃力が上がる」と言う。実績を見て、そう言うのではない。「けがをする前より、スイングがいいように見えた」と、6日の打撃練習で状態が上向いていることを確認。「けがと一緒に、技術的なけがも治すように言っていた。力んだりすることがあったから」と伝えていた部分も、かなり解消できたと判断している。

 クリーンアップである以上、求められる最優先事項は打点を稼ぐこと。だが、ソフトバンクの投手陣は、今日先発予定の和田をはじめ、強力な顔ぶれがそろっている。それだけに岡崎ヘッドは「相手の坂本、長野、ラミレス、阿部などに対するマークが分散する。それはチームとしても大事なこと」と、相手バッテリーに与える“ガッツ効果”にも期待した。

 1軍復帰を前にしても、小笠原は「何とかできることをやって、少しでも期待に応えられるように頑張るだけです」と、気負いはない。“ストップ・ザ・ソフトバンク”で巨人が勢いを取り戻すため、ガッツが「男」になる。【浜本卓也】