<巨人1-2ヤクルト>◇15日◇東京ドーム

 甲子園で見せた打線向上の兆しは蜃気楼(しんきろう)だったのか?

 巨人打線が貧打に逆戻りし、沢村拓一投手(23)を援護できずに完敗を喫した。前夜同様、ラミレス、小笠原、高橋由の主軸3人をスタメンから外した「チョー近未来打線」が、本拠地・東京ドーム初見参。だが、前夜と違って連打はゼロ。村中に今季1勝をプレゼントしてしまった。

 対ヤクルトは引き分けを挟んで8連敗。実に54年ぶりの屈辱という。13日に消滅し、14日に復活した自力Vも、またもや消滅。さらに、広島の勝利によって5位転落。悪い単語はどんどん出てくる。敗戦の原監督は、会見場でサバサバと振る舞った。凡退の内容が悪いとの指摘に「そのへんは、我々は。…。そうなんでしょう、じゃあ。…。ノーコメント」。ボヤこうか迷った末に、ボヤキをのみ込み、グッと我慢。「何て言うか。接戦ではあるけどね。ここ1本がでない。このへんの勝負という部分で、ヤクルトは今、上回っている」と現状には言及しつつ「しかし、このままでは情けない。巻き返していかないと」。決して諦めない姿勢を強調した。

 同じころ、観戦した渡辺会長は、東京ドームを引き揚げた。手にした携帯扇風機を、報道陣に向けながら「君たちも頭を冷やして」とジョークで登場。「まあ、まだクライマックスがあるからね。3位になればいいんだ」と、すっかり白旗ムードだった。確かに巨人は勝てない。それでも、もがいて、浮上のきっかけを探っている。球団トップのジョークが、現場の熱を冷ましては、浮上の兆しすら、そよ風に飛ばされてしまう。【金子航】