中日谷繁元信捕手(40)が今日26日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(ナゴヤ球場)で実戦復帰する。左膝を痛めて2軍でリハビリを続けていたが、3イニングをメドにスタメン出場する予定。問題なければ、後半戦2カード目となる29日からの広島3連戦での1軍復帰が見えてくる。逆転Vに欠かせない男が帰ってくる。

 谷繁の目はすでに戦闘モードに切り替わっていた。ナゴヤ球場の室内練習場でフリー打撃やキャッチボールなど約2時間、熱のこもった練習を行った。練習の最後には、ブルペンの打席に立ち、投手陣の投げ込むボールに目をならした。練習中は最初から最後まで左膝を気にするそぶりはなかった。「(今日26日に)出ようと思ってるよ」と明かした。今後は状態を見ながらかと問われると「そうなると思う」と話した。

 多くを語ることはなかったが、順調に回復してきているようだ。中村武志バッテリーコーチ(44)は「動きを見ていれば問題ない。あとは本人次第。上(1軍)の判断になると思うけど、(2軍戦に)1、2試合出場して1軍にということになるかもしれない」と、見通しを語った。

 今月中に1軍復帰する可能性もゼロではない。今日26日のウエスタン・リーグ、オリックス戦は3イニングをメドに先発マスクをかぶる。その後は患部の状況などを見極めて、昇格の時期を決める予定。1軍は後半戦スタートから今月末まで甲子園、マツダスタジアムと遠征が続くが、どんな判断にも対応できるよう、谷繁の荷物をトラックに積み込んでいる。すぐにでも昇格できる準備は整っている。

 谷繁は6月4日西武戦(ナゴヤドーム)で相手選手と本塁で交錯した際に左膝を痛めた。翌5日に登録を抹消された。中日は谷繁の離脱後、14勝19敗1分けと負け越している。チームを引っ張る扇の要。谷繁の戦線離脱とチームの低迷は深く関係している。

 逆転Vの使者になる。中日は現在、首位ヤクルトとは8ゲーム差。阪神にも同率2位に並ばれている。今日26日からはいきなり「竜虎決戦」を迎える。チームに漂う閉塞(へいそく)感を打ち破るには、この男の力が必要だ。【桝井聡】