<オリックス1-0楽天>◇13日◇ほっともっと神戸
オリックスが3位争いを繰り広げる楽天にサヨナラ勝ちした。オリックス金子千、楽天岩隈の投げ合いで始まり、両軍無得点で延長戦に突入。10回裏、オリックスはアーロム・バルディリス内野手(28)の13号ソロでサヨナラ勝ちした。バルディリスは来日初のサヨナラ打。この日祖母が死去し、勝利インタビューで号泣した育成出身の外国人は、クライマックスシリーズ(CS)進出まで打ち続けると宣言した。
喜びを語るうちに唇が震えてきた。バルディリスはお立ち台でぽろぽろと涙を落とした。「けさ、おばあちゃんが亡くなったと連絡があった。この1発をささげたいと思う」。母国ベネズエラにいる母方の祖母アイダ・ブランコさん(75)ががんで亡くなった。08年の日本行きを応援してくれた祖母の顔を思いだし、おえつを漏らした。
金子千と岩隈の投げ合いは勝負つかず、延長へ。10回。先頭のバルディリスは真ん中にきた甘いフォークをすくい上げた。「とにかく球をしっかりとらえようと思った。素晴らしい球だった」。来日初のサヨナラ打で、CS攻防第1戦で3位再浮上に導いた。
08年に阪神のテスト生から育成選手、そして支配下登録とステップアップした。岡田監督とは当時からの師弟関係だ。「ああいうところのバルよ。ホームラン王やからな。頼りになるよ」。岡田監督が持ち上げたように13発はT-岡田と並んでチーム最多となった。
阪神入団時にSD職にあった、楽天星野監督もバルディリスを褒める1人だ。「日本で成功してやろうというハングリーさがいい。いつもあいさつに来てくれ、帽子をとって頭を下げてくれる。今度一緒に飯行こうと言ってたが、いけなくなったな」。敵も味方も認める実直な性格で道を切り開いた姿に、天国の祖母も喜んでいるに違いない。
9連勝の後に3連敗。あまりの「大波小波」に、岡田監督は試合前のフリー打撃が終わると一塁側ベンチに戻らず、裏道を通って監督室に戻った。「おれは験担ぎとかせえへん」と言うが、流れを変えようと行動を変えるのは有名な話だ。その途端にサヨナラ勝ち。さあ、次は連勝の番だ。【押谷謙爾】



