<横浜2-6巨人>◇14日◇横浜
巨人は頼れるルーキーが投打に活躍し、ギリギリのところでV戦線に踏みとどまった。巨人沢村拓一投手(23)が7回を5安打無失点に抑える好投で、7勝目をマーク。2日のヤクルト戦から続く連続無失点を18回に伸ばした。前回登板の8日中日戦は10回を無失点も援護がなく、勝ち星を挙げられなかったが、この日は自らのバットで追加点もたたき出した。首位ヤクルトも勝ってゲーム差は6・5のままも、最下位横浜に連敗はできない状況で大きな勝利だった。
勝っても沢村が気を抜くことはなかった。8月19日以来、約1カ月ぶりの7勝目を挙げたが、「今日はたまたま勝ちましたけど、1回だけと言われないように、これを続けられるようにしたい」。笑顔や、うれしさを表す言葉はなかった。
前回登板の8日・中日戦で10回2安打無失点。テンポよく野手の攻撃につなげるように、投げるまでの動作を速くするなどリズムを意識した。「1度だけじゃなくて2回、3回、4回と続けないといけない」と、継続することを強く心掛けた。この日は1回、3者凡退で切り抜けると、走ってベンチに戻った。
投球にメリハリもつけた。力を入れたのは得点圏で走者を背負った時のみ。2回2死一、二塁から黒羽根を150キロの直球で右飛。7回1死一、三塁のピンチでは代打ハーパーを内角148キロの直球で空振り三振。「得点圏のときにいかに投げきれるか」。勝負どころで力をコントロールした。
重みのある言葉を素直に受け止めた。2日の首位ヤクルト戦で逆転負けを喫し11敗目。「沢村には荷が重かったかな」と、原監督に評された。負けても次の日は明るく振る舞う沢村も、翌日の練習では笑顔は見せなかった。多くは語らないが「危機感持ってやります」と繰り返す言葉。18イニング無失点で別人のような投球。強く心を入れ替えたことが、結果にも表れている。
最下位・横浜に取りこぼしは許されない状況での快投に加え、プロ初の長打で打点もマーク。打つ方でも貢献した。原監督は「今日は制球力、変化球の組み立てもよかった。彼のよさは向かっていくところ。いいところが出ましたね」と投球を高評価した。
しかし、7勝で満足はできない。沢村の最低目標は「10勝」。新人王争いも考えれば、登板濃厚な残り5試合で3勝が絶対条件だ。「セ・リーグが混戦の中で、やっぱり優勝したいので、これからもチームに貢献したい」。勝ち続けることを誓った。【斎藤庸裕】



