<巨人6-1ヤクルト>◇20日◇東京ドーム

 遅まきながら、巨人が首位ヤクルトに1発攻勢で快勝した。2回にジョシュ・フィールズ内野手(28)の2号2ランで先制すると、阿部慎之助捕手(32)の2打席連続アーチなど本拠地東京ドームで今季初となる1試合3発。先発の沢村拓一投手(23)は8回途中を6安打1失点で8勝目。今季の対ヤクルトは8勝12敗4分けと大きく負け越したが、今季最終戦で快勝。予想されるクライマックスシリーズ(CS)での再戦に向け、実りある1勝だ。

 天敵を打ち砕いたのは、ファンが待ち望んでいた「ジャイアンツスタイル」だった。東京ドームでは今季初の1試合3発。今季1勝3敗と苦しめられてきたヤクルト村中を、得意の1発攻勢で攻略した。「今年苦しめられている投手から打ったというのはね、遅いかなという感じもするんですが、良い形で勝たせてもらいました」と振り返る原監督の表情が、この1勝の意義を物語っていた。

 1発攻勢の中心にいたのは、主将の阿部だった。4回1死、内角の直球を「腕をたたんで、うまく回転できた」と技ありの16号ソロ。1球目も右翼ポール際への強烈なファウル。「最初のは芯で、次は先っぽだったから切れなかった。コントロールできたら、9割打てちゃう」と笑ったが、高い技術を証明する1発だった。2発目は6回無死一塁で一塁走者の長野がスタート。「走ったのが見えて打とうかどうか迷ったけど、体が反応した」と天性のセンスでスタンドに運んだ。

 口火を切ったのはフィールズだった。2回2死一塁、初球の直球を流し打ち。元メジャーリーガーの破壊力を証明するように打球は右翼席に吸い込まれた。2日前の来日初アーチは無敗だった中日ソトから放ち、この日は天敵村中。ともにリーグ屈指の左腕からの1発でチームの左キラーに名乗りを上げた。「まだ足りない。もっといける。毎日150%頑張るのは約束できる」と鼻息たっぷりに活躍を誓った。

 投打ともに圧倒しての勝利に、原監督の舌も滑らかだった。フィールズについて報道陣から「練習から好調では?」と問われ「気のせいじゃないの?」とニヤリとした後に「本来の姿がゲームの中で出せるようになってきた」と認めた。試合前のミーティングで阿部が「最後は勝って終わろう」と鼓舞。チーム一丸で苦しめられてきた首位のヤクルトに完勝した。「最後勝てたのは悪いニュースではない。踏み台にするものは踏み台にして、ステップの材料にしないと」(原監督)。CSの流れを左右しそうな攻略劇だった。【久保賢吾】