<オリックス2-1楽天>◇9月30日◇京セラドーム大阪

 今年最後のイヌワシ狩りを涼しい顔で終えた。オリックス金子千尋投手(27)が1失点完投で4年連続の2ケタ勝利。楽天には08年から11連勝と負ける気がしない。

 「僕自身はそんな得意と思っていない。相手が考えないといけない状況をつくっている。それだけでも良かったかな」

 113球。全球種を意のままに操った。5回まで打者15人の完全投球。失投は7回に高須に右前打を浴びた甘いチェンジアップぐらい。直後に犠飛を許したのが、9月4試合で初の失点だった。

 「ストライクゾーンに投げれば打者も打ちにくる。3ボールが前より少ないから四球も減った」

 9月は月間2四球という数字でミクロの制球力を誇示した。好調の要因に精神面を挙げる。「9月最初の完封で去年のいい時を思い出した。気の持ち方というか、打たれると思うと打たれる」。オフに除去手術した遊離軟骨を記念に持ち帰ったが、今は「家のどこにあるのか分からない」と忘れた。心身とも最多勝の昨年と同じ状態なのだから強い。今季初登板は6月と遅れながら規定投球回数にも達した。

 エースは指揮官の心をも抑え、変えた。前日9月29日ロッテ戦に敗れた岡田監督は「こんなんしとったらズルズル負けるよ」と怒りの将と化したが一転、前向き発言だ。「ここまできて、つまらんやんか、最後に気合入らんプレーとか。もったいない、やってきたこと台無しよ。これからは今までやってきた一番最高のプレー見せな、そういうことやろ」。08年以来のCS進出に必要なプレーを金子千が示した。【押谷謙爾】