阪神が初めて才木と梅野をバッテリーとして組ませたのは賛成だった。なかなか調子を持続できなかった投手を今季初スタメンでマスクをかぶった捕手が立ち直らせたと言える。
近鉄で仕えた西本監督は、私と有田修三さんの捕手2人を巧みに併用しながら優勝した。例えば通算317勝のエース鈴木啓示さんが不調に陥った際は、有田さんから私に切り替えた。
ある時、勝てない鈴木さんから「投げる瞬間に打者のタイミングが合っている気がする」という理由で「ノーサインで投げさせてほしい」とお願いされたことがあった。
鈴木さんは、打者の狙い球がわかった時点で、リリースする際に球種を変えたいというのだ。極めて高等なテクニックだったが、ノーサインでゲームを乗り切ったことがあった。
投手は女房役が代わることで気付きがあるようだ。逆に捕手の方は、ライバル捕手と違う配球をしようとは思わないが、そこには自然と異なった“色”がにじむものだ。
今までの才木はストレートとフォークのイメージが強かった。だが梅野との初コンビは、カーブ、カットなど変化球を多投して切り抜けた。4回などは3人の打者に続けざま初球カーブで入るなど惑わせた。外野への飛球は3つだけで慎重に投げ続けた。
昨シーズンとは裏腹に、投手力に不安を感じるのは、リリーフだけでなく、主戦の村上、才木が本調子でないからだ。坂本、梅野、伏見の競い合いとなる併用策のタイミングは吉と出るかもしれない。(日刊スポーツ評論家)







