東北福祉大が3季ぶりの優勝狙うライバル仙台大に7-4で逆転勝ちし、連勝で勝ち点を獲得した。単独首位に立つとともに、3季連続優勝に大きく前進した。4-4の7回1死一塁で2番高岡新時内野手(4年=龍谷大平安)が決勝弾を右翼スタンドにたたき込んだ。宮城教大は東北工大に5-4で競り勝ち、7季ぶりの白星。22年秋から続いていた連敗を「68」で止めた。
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確信の当たりだった。東北福祉大・高岡が内角の変化球を捉えた。「いったな」。打球は右翼スタンドに高々と上がった。一瞬の静寂ののち、歓喜が響きわたった。高岡は大きくガッツポーズ。そしてほえた。「気持ちが出てしまうくらい、めちゃめちゃうれしかったです」と満面の笑みで振り返った。
この日は初回に3失点。追いかける展開で幕を開けた。4回に追いつくも、5回に再びリードを許した。両軍ともに譲れない思いが火花を散らしていた。1点ビハインドで迎えた7回に追いつき、なおも1死一塁で高岡に打席が回った。ここまで3打数無安打2三振。それでも「3戦目には持ち込みたくなかったので、この試合で決めるつもりでした」と最高の結果につなげた。
自主性が今の強さをつくる。昨春は3年ぶりに全国大会に出場し、7年ぶりの日本一に輝いた。だが、それまでは宿敵・仙台大の壁が立ちはだかっていた。高岡は「やらされる野球をしていた」と2年前までを振り返る。そこで、昨年からは主体性に重きを置いた。「自ら考えて発言や行動することはミスができない緊張感もありますが、逆に勝てば自信がつくので、個々の技術や精神面でも力がついたと思います」。一人一人の責任感がチームを変えた。
無敗を守り、視界が大きく開けた。最終節で対戦する東北学院大は、仙台大戦で勝ち点を落としているため、東北福祉大が単独首位に躍り出た。それでも高岡は「集中力を切らさずに最後までやりきりたいです」と気は抜かない。そこには、ラストイヤーでの日本一への思いがある。「最上級生が引っ張って、もう一度、全国制覇したいです」。自分たちの手で再び日本一の景色を-。ゴールまで全力で駆け抜ける。【木村有優】
○…まさに救世主だ。東北福祉大は初回に3失点。なおも2死一、二塁で清家準投手(2年=英明)が救援登板した。「まさか初回からいくと思っていませんでしたが、準備は出来ていたので」と4球でしのいだ。その後も9回途中までマウンドに立ち続け、計8回を1失点(自責0)。「1イニングずつのイメージで投げていたら、最終回まで行っていました」。強力打線を前に、がむしゃらに腕を振り続けた結果だった。



