オレたちがカープを日本一にする!

 広島のルーキー2人が新年にほえた。ドラフト1位の野村祐輔投手(22=明大)と同4位の土生(はぶ)翔平外野手(22=早大)。ともに地元広陵高で甲子園に出場。07年夏の決勝で苦杯をなめたチームメートは、東京6大学時代はライバルとして火花を散らし、再び広島で同僚となった。ともに新人王を狙う2人に意気込みを聞いた。

 これが運命なのかもしれない。高校時代、同じときをすごし、同じグラウンドで汗と涙を流した親友と再びプレーする。甲子園では大旗に手をかけながらもあと1歩届かず準優勝。東京6大学ではライバルとして対決し、しのぎを削った。野村と土生。2人は、プロという夢の舞台で再び共演する。広島のために、カープのために-。新たな野球人生の幕開けに、2人で思う存分語ってもらった。

 -広陵高で出会ったときの、お互いの最初の印象は

 土生

 野村という投手がいると聞いていて、これがかと。体が小さいんだなあと思いました。

 野村

 土生はいかつかったですね。1年の春、シート打撃で対戦してストレートを本塁打されました。

 -大学で対戦したときは

 土生

 1年春のリーグ戦で久々に対戦したときには、球が速くなったなあと。真っすぐは5~6キロは速くなっていたのでは。高校のときは137~8キロだったのが、140キロ中盤は出ていたと思います。

 野村

 高校野球終了後、球の力をつけたいと、体重を増やすことに専念しました。62キロくらいだったのが70キロくらいになったでしょうか。高校時代に「勝ちきれない」ということを学んだので、それを克服するために4年間、やりました。

 -勝ちきれなかったというのは、07年夏の甲子園大会の決勝戦のこと

 土生

 (押し出しの末、逆転満塁本塁打され)悔しいし(野村が)かわいそうだなと。三塁で守っていて、横からですが球の高さや雰囲気で、本当にボールなのかと思いながら「楽に、大丈夫だから」と声をかけたんですが、超満員の歓声で聞こえなかったと思います。

 野村

 冷静でいようと思ったんですが、あんな雰囲気は初めてで、それに流されてしまった感じです。(中井)監督が(判定に)異議をとなえて、その言葉で助けてもらいました。(選手の)代わりに言って守ってくださったと思います。

 -今でも当時のチームメートとは仲がいい

 野村

 一体感がありますね。何でも言い合える仲というか、自分をさらけ出せます。オフにはいつも広島で集まりますし。

 -対戦相手としては手ごわい投手

 土生

 明大のエースで、ピンチでもしっかり抑えていたし、先に点を取って焦らせないといけない。取れても2、3点だし、こちらも最少失点でいかないとダメだと思っていました。

 -互いの性格は

 野村

 土生はまとめ役ですが、ただまとめるだけじゃなく引っ張る力がすごくてキャプテンシーがある。すべてを受け止められる。早大でキャプテンをやったことも、僕は当然だと思っています。

 土生

 野村は見た目はクールな感じですが、マウンドでは負けん気が強いです。私生活ではおとなしいといえばおとなしいですね。

 -その2人がまた同じチームでプレーする

 野村

 土生が指名されたときは、自分のことのようにうれしかった。

 土生

 指名されるかどうか分からず、いっぱいいっぱいでした(笑い)。指名がかかって冷静になると、また野村と一緒じゃんって。

 野村

 落ち着いてから一緒にご飯を食べたりしてますが、会ったら広陵のときの話ばかり。一生付き合える仲間だし、チームメートで心強さはあります。

 -プロでの目標は

 野村

 1年目からチームに貢献できるようにしたい。どこまで通用するか。しっかり力を出せるように。まず新人王を狙いたい。リーグ優勝、日本一になりたいです。

 土生

 1日でも早くカープの戦力になりたい。1軍に定着して試合にも出場したい。1年目だからこそ思い切ってできると思うので、自分らしい野球スタイルを出したい。僕も新人王をとりたいです。野村とまた一緒にできるのは運命だと思うので、2人で戦力になって日本一に貢献したいです。

 広島が最後に優勝したのは91年。Aクラスには98年以降届かない。2012年、野村監督が「破天荒」のスローガンを掲げて挑む3年目。運命に導かれて重なった新たな力が、カープファンに幸せを運んでくる。(取材・構成=高垣誠)

 ◆野村祐輔(のむら・ゆうすけ)1989年(平元)6月24日、岡山県倉敷市生まれ。連島南小1年から野球を始め、連島南中ではヤングリーグ「倉敷ビガーズ」所属。広陵(広島)では1年春からベンチ入り。3年春は甲子園8強、同夏準優勝。明大では1年春からベンチ入り。リーグ戦通算成績は65試合30勝12敗、防御率1・92、358奪三振。史上7人目の「30勝&300K」を達成。最優秀防御率2度、ベストナイン1度受賞。177センチ、76キロ。右投げ右打ち。背番号19。

 ◆土生翔平(はぶ・しょうへい)1989年(平元)8月16日、広島県尾道市生まれ。木頃小1年から野球をはじめ、美木中時代は尾道シニアに所属。広陵では、1年秋からレギュラー。早大へ進学し、2年春から外野の定位置を獲得し、4季連続3割をマークした。3年秋には首位打者を獲得するなど活躍し、神宮大会で優勝。4年では主将を務めるが、打撃不振に陥り悔しい思い。ベストナイン2度受賞。180センチ、81キロ。右投げ左打ち。背番号43。