<オープン戦:中日1-4DeNA>◇22日◇ナゴヤドーム

 DeNAの「新4番」中村紀洋内野手(38)が、チームに6年ぶりのオープン戦勝ち越しを呼び込んだ。初回2死二塁、中日ソーサの内寄り148キロ直球を振り抜き、左翼線を破る先制の適時二塁打を放った。左大腿(だいたい)直筋の肉離れでリハビリ中のラミレスに代わって3試合目の4番。待望の“4番初安打初打点”に「得点圏でランナーをかえす4番目の仕事がキッチリできた」と手応えをにじませた。

 2年ぶりにユニホームを着て春季キャンプを迎えた。「楽しいし、幸せだね。こうやってキャンプで練習できるのは」。浪人中だった昨季の練習相手は打撃マシンだった。今季はチームメートと切磋琢磨(せっさたくま)できる。村田が抜け、監督が代わり、レギュラー争いは横一線からのスタート。「目指すのは開幕サード」と、こだわりのある守備位置を狙うと宣言していた。若い筒香らに負けじと特守、特打に取り込んだ。左太もも裏を痛めても練習を休まなかった。そんな努力があったからこそ4番を託された。

 中畑監督は「4番の仕事でチームが落ち着いた」と目を細めた。公式戦での4番が実現すれば、楽天時代の10年7月18日の日本ハム戦以来。「打席に立てば打順は関係ない。まだチャレンジャーの身」と謙虚な姿勢を見せつつ、開幕戦の「4番三塁」は「何とか勝ち取ります」。オープン戦残り3試合。慢心のないベテランは全力でアピールし続ける。【佐竹実】