<広島6-1DeNA>◇19日◇マツダスタジアム

 5試合ぶりの先制も、勝利につながらなかった。DeNAは1回1死二塁から、中村紀洋内野手(38)の中前打で、広島戦6試合目で初めて先発投手から得点。勢いに乗れるかと思われたが、2回以降は広島福井の前に凡打を繰り返し、救援陣も打てずに1安打に封じられた。「しゃべることあるかな…」と会見場に現れた中畑清監督(58)は、「今までなかったようなスムーズな得点シーンが見られたんだけど。精神的に優位に立っていくパターンがつくれない」と嘆くしかなかった。

 貧打打開のための“特訓”も実らなかった。この日の午前中、広島市民球場近くの広場で、石川、梶谷ら若手6選手が、約1時間の素振りを敢行。見守った中畑監督らが指示したのは「全力で振れ」という1点だけだった。「投手攻略の対策を立てても、それに選手が対応できなければ対策じゃない」。これまで前田健ら球威ある投手に力負けしている現状から、まず自分のスイングを固める基本に立ち戻らせた。

 即効性があるものではない。中畑監督は試合後、「ボールに振り負けない選手を作るしかない。振り込み!」と語気を強めた。これで広島戦は開幕から6連敗で借金は7。今日20日からの地元横浜での阪神戦に向け、「目先の1勝にこだわります」と、必死に前を向いた。