<巨人0-3広島>◇2日◇東京ドーム

 巨人は先発のデニス・ホールトン投手(32)が4回0/3、3失点でKOされ、連勝が4で止まった。制球に苦しみ、甘く入ったボールを痛打される姿は開幕から変わらなかった。15点の大量援護をもらったDeNA戦の1勝だけでは助っ人として寂しい。同じ過ちを繰り返すようでは、鳴り物入りで加入した最多勝男も看板倒れだ。

 開幕以来2点差以上の逆転を経験していない巨人にとっては、4回でジ・エンドだった。2死一塁から、先発ホールトンが2度、失態を繰り返した。堂林、白浜の下位打者に対し、同じカウント1-1からの3球目。直前の2球目よりも甘い外角球を連続タイムリーされた。残念さに輪を掛けたのは5回。先頭梵に3ボール1ストライクと分を悪くし、5球目は真ん中高めへの絶好球だった。相手先発がバリントンでは、ダメ押しに等しいソロ本塁打を献上した。

 続く東出に右前打を許し、4回0/3、3失点でKOされた。白星はまだ、15点の大量援護をもらったDeNA戦の1つだけ。「春先はいつも調子が悪い。暖かくなったら調子は良くなる」という言葉を、いつまで信じればいいのだろうか。ボール先行の97球。テンポも悪く、守備時間は一層長くなる。けん制球こそ入れるようにはなったが、クイックへの意識は薄いまま。広島に対しはや2敗目。胸を張って自分の世界にこもっていては、負のVTRは繰り返される。

 セ、パの野球の違いが不調の原因なのかと言えば、そうでもない。「セはDH制がない。ピッチャーが打席に立つから、8番をそこまで警戒しないでいい」という。となれば、8番白浜への甘いボールは「なめている」と解釈されても仕方がない。「何の球種でもストライクが取れる。自分の強みで勝負する」との自己分析は、7回を89球で収めたバリントンと比較するまでもなく説得力を欠いている。

 「すべて自分の責任」とする一方で、「今の状態でも自信を持っている。実力は、去年の数字が証明している」とも言う。川口投手総合コーチは「明らかに(球が)高い。明らかに悪い。この内容が続くようなら、宮国を格上げするしかない」と、極めて客観的な指摘を行った。ホールトンは交流戦のマウンドに立てるのか。次回がラストチャンスだ。【宮下敬至】