<阪神1-2巨人>◇6日◇甲子園

 巨人の守備シフトに「何としても1点を防ぐ」という決意がにじみ出ていた。1回1死二、三塁。打者金本に対し、内野陣が前進守備のバックホーム態勢を取った。5日の試合では1死三塁、打者マートンで前進守備を取らず、遊ゴロの間に失点していた。原辰徳監督(53)は「メッセンジャーは安定感がある投手。簡単に点はやれないから」と説明した。

 1回のシフトは、先制を許さないための最善策と理解できる。だが2点リードの5回2死一塁、同じ金本に対し、巨人ベンチはギャンブルに見えるほど極端なシフトを敷いた。内、外野の全員を右方向へ大きく寄せた。

 4球目、パスボールで一塁走者のマートンが二進すると、さらに右へ寄せた。しかも右側の守備陣形が深く、左側が浅い状態。三塁、左翼はがら空きになった。沢村-実松のバッテリーは内角低めへ変化球を集中させた。結果は四球だったが、引っ張らせて仕留めようと徹底した。相手4番に対し、チーム全体で失点を防ぐ意識を前面に出した。

 金本は今季、23安打のうち左方向が2本しかない。データに加え、練習での打球方向もチェックしていた。ただ、データや状態だけを理由に金本シフトを敷いたのではなかった。

 「1点死守」を再確認していた。開幕から2点差以上の逆転がない。3連敗した4月22日のヤクルト戦後、担当コーチの垣根を越え「1点を守ることにもっと集中しなくては。配球もそうだが、守備のシフトも同じ。位置取り、チャージを極端にしなくては、今の野球に対処できない」という意見が出た。橋上戦略コーチは「制約の配分を決めてあげるのがベンチの仕事。制約を設けて結果が出なかった場合、責任はベンチが取ればいい」と補足した。

 打撃もメリハリが利いていた。先制した2回、村田の二塁打も実松の適時打も、ともに初球、外角145キロを中堅から右へ打ち返した。攻守で束となって戦う。巨人の野球が変わろうとしている。【宮下敬至】