<巨人6-3阪神>6日◇東京ドーム
巨人が谷佳知外野手(39)の活躍で、09年以来の両リーグ40勝一番乗りを果たした。初回無死一塁、初球で犠打を決めて4点先取の足掛かりをつくった。2回には先頭打者で左翼席に豪快な2号ソロ本塁打を放ち、試合の流れを決定付けた。プロ16年目、2000安打を視界に捉えるベテランのいぶし銀の働きと派手な1発で、阪神3連戦の初戦を制した。
「いぶし銀」の域を越える2番だ。まずは初回無死一塁。谷は「確実に決めるのが仕事。初球で決めると後の打者へのリズムも良い」。思惑通りに1球で犠打を決め、打者10人4得点につなげた。続けて2回。2ボールからの142キロをひと振りし、左翼席へ2号ソロ。「ストライクを取りに来るだろうという想定でいった。ばっちりでした」。原辰徳監督(53)が「今日は非常に良かった。小技もパワーも。まばたきしちゃったよ」と絶賛の働きだった。
通算安打は1893。2000安打については「達成はしたいよ」とはっきり視界にとらえている。プロ生活16年目、39歳。スタメンが約束されている立場ではない。それでも「大丈夫だよ」と、優しくほほ笑みながら断言できる。下地には、これまで持ち続けてきた、谷の変わらぬ「野球への貪欲さ」がある。
谷
常に全打席打てるわけはないんだけど、ちょっとでも全部打てるためにどうすればいいかを考える。タイミングも待ち球も合ってても、凡打にはなる。それで「しゃーないな」って思ってしまうとね。常に全部打とうって思わないとダメだと思うんだよね。
30代に入ったころ、「40歳までは続けたい」と誓った。「そんなん言ってたかあ」と懐かしそうに笑いつつ「みんな思ってると思うよ。1日でも長く野球をやりたいってね」。そのために一振を追求し続けてきた。打撃練習では、直球のみを打つ日がほとんど。「変化球だと人によって変わる。状態を確認するには、人によってもあまり変わらない真っすぐの方がいい」。細部にこだわりながら、日々の状態を整える。経験と情熱が、打順に関係なくチームに貢献できる礎にある。
貯金15での首位キープにも、百戦錬磨のベテランは「何があるか分からないのが野球。気を引き締めてやりたい」と言った。「ベテランと思ってやってないよ。長いこと野球をやっているのでしっかり地に足をつけてやっています」。酸いも甘いも知り尽くした最年長の背中が、栄光への道しるべとなる。【浜本卓也】



