<阪神7-2ヤクルト>◇7月31日◇甲子園
五輪もいいけど、猛虎打線の爆発もたまらんわ~。阪神金本知憲外野手(44)が逆転三塁打で、モヤモヤを吹き飛ばした。1点を追う5回。3番鳥谷、4番新井の連続二塁打でまず同点。ここで5番アニキがバットを折られながら右翼線にはじき返し、一気に三塁を陥れた。今季初のクリーンアップ3連続長打で悪夢の7月を白星締め。借金のことはひとまず忘れ、さあ、乗っていけ!
折れたバットが二塁方向に飛んだ。打球は右翼線のフェアゾーンに弾む。44歳のベテランは、必死の形相だった。足を上げて、ベースを蹴る。最終地点は三塁だ。同点に追いついた直後の5回裏1死二塁。執念の決勝タイムリーを放った。
金本
人力車に引いてもらっているようなスピードだったな。若い時は速かったんだよ。
12年前にトリプルスリーを記録した男が、昨年9月23日以来の三塁打。自身の持つリーグ最年長記録を更新した。鳥谷-新井と続くクリーンアップの3連続長打は今季初。下位に低迷する和田阪神の起爆剤になった。14安打7得点の猛攻。金本がその中心にいた。
今の猛虎は世代交代が叫ばれる。しかし簡単に若手にポジションを譲ることが成長につながるわけではない。後半戦5試合で金本は12打数1安打と本調子ではなかった。それでも若手と同じような時間にグラウンドに姿を現し、猛暑の中で左翼のポジションに立つ。黙々と練習をこなすベテランは最高の「教材」だ。伊藤隼ら若手がどう生かすか。まだまだ負けない-。そんな思いがにじみ出た三塁打だった。
金本
あそこで新井が打つと思っていなかったので、2死二塁で回ってきたら、どうしようという思いだった。同点にしてくれたので、楽に打席に立つことができた。
お立ち台でファンの喝采を浴び、トークでは横に並ぶ4番新井へのイジリも入れた。鉄人健在だった。
地獄の7月が終わった。5勝14敗1分けという最悪の結果で借金も膨らんだ。そんな中、7月29日のDeNA戦では4本のアーチが飛び出し、この日は主軸が長打でつながった。ほんの少しだが、兆しは見えた。夏のロードまで、甲子園で残り2試合。この日のヒーローは、言った。
金本
ロードに出る前の2試合で勢いをつけて、帰ってきた時に、2つ、3つ順位を上げたいという思いです。
借金はまだ「12」。それでも3位広島まで5・5ゲーム差。あきらめるには早すぎる。指揮官は気を引き締めた。「やっとたたみかける攻撃ができてきた。まだ安心するところではない。これが続くと、本来のものが出る」。反撃の「芽」を大事に育て、8月攻勢に打って出る。【田口真一郎】
▼44歳3カ月の金本が昨年9月、自らの持つ三塁打のセ・リーグ最年長を更新。二塁打、本塁打はすべてセ・リーグ最年長。
▼阪神の3番鳥谷、4番新井、5番金本が3者連続長打を放った。主軸の3連打は今季4度目。4月14日中日戦1回(鳥谷遊安、新井左2、城島左安)、7月1日ヤクルト戦5回(鳥谷右安、新井左安、新井良中安)、7月18日巨人戦3回(鳥谷右安、新井左安、金本左2)に続くが、すべて長打は初めて。



